国際交流


 マンチェスターだより   【派遣留学生からのメッセージ】

 2001年9月〜2002年6月派遣留学生

   ・岡平史世  留学

   ・中尾優希  My fantastic life in Manchester、マンチェスター留学体験記:大学説明会編 

   ・鈴木郁美  Manchester交換留学について


・留学

岡平 史世(2001年9月〜2002年6月滞在

 私にとって留学は自分と向き合う時間だったと言い切れるでしょう。日々の雑多に追われてなかなか本当に自分のやりたいこと、好きなことすら見つけられなかった自分から、素直に自分を主張できる自分になれた気がします。この留学の意義はただ英語力を獲得するためだとか生物の知識を得るためだけのものではありません。本当の自分を発見し、自分の生活を豊かにし、筑波大学を活性化し、果ては日本をも活性化させる力を持っていると思います。今のままでも生きていけるけど、もう少しだけ幸せになってみませんか?














・My fantastic life in Manchester

 中尾 優希(2001年9月〜2002年6月滞在

 見たもの、感じたこと一つ一つのことがいつまでも消えず残るような、短いけれど今までの人生の中で一番濃い10ヶ月でした。次々起こるハプニングに泣いたことも数多く、日本を飛び出してきながら、家族や友達に何度助けられ、励まされたことか・・・しかしながら、英語がつたないくせに、自分がここでは”外国人”だということをあまり感じないずうずうしい日本人でした。”生物を勉強しながら海外での生活も経験できる”、大学4年間の中でこんなチャンスを得られたことは、私にとって一生の宝物になることでしょう。研究室での生活、世界各地から集まってきている学生達との寮での生活、週末にふらりと出かける旅行、目をつぶって寝るのが惜しいほど充実した、まさに”fantastic”な毎日でした。特に一日の大半を過ごしていた研究室では、とても親切に(かわいがって?)していただいて、英語も、生物学も、イギリスの文化まで、一日中レクチャーを受けているようなものでした。帰国まで後一ヶ月を切った今は、ここで得たものを日本での生活にどう生かすか、帰国後への夢が、また頭の中に広がっています。ここに来るチャンスをくださった先生方、支えてくれた家族、友達、ここでお世話になった人々に感謝の気持ちいっぱいで帰国します。ありがとうございました。


・マンチェスター留学体験記:大学説明会編

                      生物学類四年   中尾 優希

 筑波大学とマンチェスター大学間の交換留学生として、3年生の8月から4年生の6月までイギリスのマンチェスター大学へ留学してきました。2年生の9月に応募したのですが、どんな分野でも国際性が必要とされる今、いつか一度は海外に出てみよう、と思っていたこと、とはいってもただ語学のために留学するのではなく、英語で生物学を学んでみたかったということもあって、この留学制度は私にぴったりでした。
 イギリスでの生活は、研究室での実験が中心でした。私の所属していた研究室はがん・アポトーシスがテーマで、男勝りな女性教授を筆頭にとても活気のある研究室でした。私に専属でついてくださった先生はイタリア人のとても陽気な先生で、厳しいけれど何から何まで丁寧に教えてくださいました。研究室のメンバーもみんなとても親切で、お茶の時間やクリスマス会などに参加して、とても楽しい時間を過ごすこともできました。
 寮では、1フロア10人での生活で、ドイツ人2人、中国人3人、イギリス人4人、日本人1人の私で、キッチンとシャワーとトイレをシェアしていました。一緒に夕飯を作ったり、映画に行ったり、踊りに行ったり、誕生日会やクリスマス会をしたりとことあるごとに盛り上がりました。週末には旅行に行ったりしました。
 10ヶ月はとても短く感じました。しかし、そんな中にも一日がとても長く感じられるくらいつらいこともありましたし、言いたいことが伝わらなくてストレスを感じることもたくさんありました。そんな時にいつも支えてくれたのは、家族や友達、先生からのメールでした。とくに、2年間でとても深い仲になった生物学類の友達が、こんなに遠く離れても変わらず励まし、支えてくれたことは、私がこの留学で得た感動のうちのひとつでもあります。大学生活の4年間の中で、一生モノの経験や友達を得ることができました。
 留学だけが目的で生物学類を目指す、という人はいないかと思いますが、こんなすばらしい留学制度を持つ生物学類をめざす、というのも、いいのではないか、と思います。高校生の皆さん、目標を持ってがんばってください。



・ Manchester交換留学について

         鈴木 郁美(2001年9月〜2002年6月)

  私は2001年9月から約1年間の予定でManchesterに交換留学に来ています。イギリスの生活環境は日本と比べてのんびりとしています。店が5時で閉まることといい、日本はおろかアメリカやいくつかのアジアの大都市とも違って、簡単に時流には流されない頑固さを感じます。
  さて、こちらでの実際の生活といいますと、学校があるときは、朝起きて研究室に行き、5時くらいまで研究をして帰宅します。私の研究は「大腸菌の莢膜上にある多糖類を分解する酵素」についていろいろな性質を調べています。私はこの酵素の研究を任されていて、卒研生といえども研究者として一人前の努力は求められていることを感じました。忙しい研究の合間にはコーヒータイムやお昼にPubにランチをみんなで食べに行ったりとくつろぐ時間も持っているんですね。研究室に所属するのは初めてだったのですが、2人のsupervisorから一から丁寧に教えてもらったので不安はなかったです。また、わからないことなど、ためらわずにきちんと聞くことが大事ですね。
  学校から帰るとFlat mateと過ごす時間になります。私のFlat mateはとてもInternationalでイギリス、イタリア、ドイツ、ケニア、ガーナ、香港となかなかのmixです。Internationalな人達ですが、もうイギリスに5年、10年といる人がほとんどで、英語は全くnativeと変わりはないです。私は英語がそんなにできるほうではなかったので、最初は会話の聞き取りから苦労しました。そんななかでも、Flatの友達はとても気遣ってくれて私の発音を直してくれたり、とりあえず話すことが一番の英語の上達方法だからと、話をたくさんしてくれたり、テレビや会話の解説をしてくれたりと、親切な友達です。Flatの友達と気軽に飲みにいけるのもなかなかいいですし、House Partyに行って新たな友達と出会うのもまた楽しいものです。こちらの人は本当に元気で、たとえばHouse Partyは夜の11時に始まり、朝の5時、6時まで続くことはざらです。一緒に住んでいることもあって、Flatの友達と過ごす時間が多くなると思います。そんな意味でもいい友達に会えたことは幸いですね。
  イギリスの大きな休暇は7月から9月にかけてのSummer Holiday, クリスマスと新年にかけてのChristmas Holidayと3月終わりから4月にかけてのEaster Holidayがあります。私はドイツ人のFlat mateの家にChristmas Holidayに滞在しました。日本からのお客さんと言うことでとても歓迎してくれました。そのときドイツは例年になく大雪できれいなクリスマスでした。新年も含めて2週間ほど滞在はあっという間に過ぎました。また、Easter Holidayの時はまた別のFlat mateとスペインに行ってきました。今回の留学が初のヨーロッパで、来る前まではヨーロッパは一まとめの印象があったのですがそれぞれの国が言語、文化を持っていることをつくづく感じました。
  この10ヶ月の留学生活を述べるにはまだまだ足りないのですが、この年齢で、留学生として保証された身分で海外に来ることができたのは大変貴重な経験でした。また個人的にもイギリスはすばらしいところだと思います。日本人と気質的に似ているなと、思ったのは最初とっつきにくいところもあるのですが、慣れてくると親切で大変気遣いのできる本当にpoliteな人達です。研究面でも大学の設備は大変よく整っていますし、Manchesterは学生の街でもあり勉強にも良い環境です。また、この留学の利点として大学生としてある程度自由が利く身分なので、イギリスでの生活も思う存分楽しむことが出来ると思います。是非トライしてみてください。期待した以上のものを得られることは間違いないでしょう!