国際交流


 マンチェスターだより   【派遣留学生からのメッセージ】

 2005年9月〜2006年6月派遣留学生

 ・大澤 陽樹

 ・佐藤 寛明


生物学類3年 大澤 陽樹

留学7ヶ月経過
はやいもので、留学してから約7ヶ月が過ぎようとしています。簡単に経過を書いていきます。

8月初旬〜9月初旬
語学学校のPS5というコースへと参加していました。これは、これからイギリスで研究を始める人用のものであり、殆どがマスター・ドクターを取りに来ている人で構成されるものです。そのため、このコースでは、academicな論文の書き方、また正しいpresentationの方法、を徹底的に勉強するコースになっています。ただ、朝から夕まで、また帰ってからも、様々な人と交流することができるので、来た当時はbody languageでしか話せなかった僕も、インターナショナルの生徒通しであれば、電話で話すことが可能なレベルまで上達することができました。よって、留学の際、根本的に英語が出来ない方、論文の書き方がわからない方は、語学学校に参加することを強くお勧めします。

9月中旬〜12月下旬
あらかじめ研究室を決めていたので、すんなりと研究が始まります。大学で勉強したことよりも、難しいことをするので、ある程度の基礎知識のある分野を選ぶことをお勧めします。僕の場合、予想してなかった物理化学や、化学の分野が時折混ざってきて大変でしたが、こちらに来てから勉強しても十分についていけるとは思います。
最初に問われたのは、研究者としての心構えだったと思います。supervisorの口からでたわけではなく、自分で感じ取れるものでした。大学で単位を取るための研究ではなく、真実を解明する為にピュアに実験を行われなければならない、湿度・温度・照度などといったちょっとしたコンディションに気を配り、ミーティングでは自分自身の意見をしっかりと言わないといけない、そんなことを少し早い時期に学べたことはとても重要なことだと思っています。また、ロンドンで開かれた学会、といった大きな学会に参加できたことも、貴重な経験だと思います。

12月下旬〜2月下旬
待ちにまった、winter holidayです。僕は旅行をしていたので、イギリス内のクリスマスや新年がどういうものかは答え兼ねます。
1月初旬から研究を再開し、今に至ります。

研究室
さて、僕の研究室について簡単に説明していこうと思います。
スーパーバイザー、ポスドク、ドクター、テクニシャン、留学生がそれぞれ一人在籍する小さなラボです。
研究時間は主に9時から17時まで、ただ厳しい束縛は全くなく、そこに講義や、語学学校を組み込むことも可能です。基本的には月曜から金曜までが研究時間、週に1度のミーティングは、自分の研究の報告や、同じラボの研究者の話を聞き論議をする場であり、非常に大切な場となります。また、セミナーは週に1・2回、学会は1タームに1回ほどあり、どちらもプレゼンテーションの仕方を学ぶのにとてもよい場所になります。
ラボ、つまりスーパーバイザーによって完全に異なるとは思いますが、基本的には、ラボを経験したことがなくても、全く苦にならない環境だと思います。
僕の場合は、教授に与えられたものをただこなすのではなく、自分で出した結果を元に、教授と話し合い、次に何をやるかを決めていく、その繰り返しを行っています。


日本(筑波)に比べると、同じか少し高いと考えてよいと思います。1ヶ月4万強〜5万と考えていいと思います。
生徒が主に使うのは、フラット。日本でいう、宿舎のようなものです。大学のものがおそらく最安値なのではないかと思います。なので、毎年筑波からの先輩方(僕らも含め)は大学経営の宿舎を利用しています。
僕の宿舎は、8人で一つのフラットを作り、キッチン・トイレ・シャワーを共有します。セキュリティーの面はとても良く、まず危険な目にあうことはありません。また、寮の敷地内には、ジム・パブ・ランドリー・スコッシュのコートが完備されており、調った施設になっています。
しかし、ここで一つ注意をしておきたいことがあります。寮選びは留学の際、かなり重要な項目だと思います。うるさい寮は嫌だ、学校が遠い、施設が悪い、などなど寮によって、大分違ってきます。是非、寮を選ぶ際は、マンチェスター大学のホームページでしっかり確認するか、先輩方に聞くなりして、自分にあった寮を選ぶことをお勧めします。

生活面などに関することは佐藤君にお任せします。


生物学類3年 佐藤 寛明

大沢君続きましてまして、今度は僕が学校生活以外の活動を紹介します。

Society
これは日本でいうサークルのようなもの。アメリカや日本のように、大学ごとにチームがあってみんなで応援するといったような習慣はなく、規模の小さい団体で好きなように参加するというのがこちらの主流。これ以外にも、近くにスポーツセンターやらプールがあり、学生は割引してもらえます。スポーツセンターでは格闘技やバスケットボール、バトミントン、バレーボール、スカッシュなどいろんな団体が夕方から夜にかけて活動しており、気楽に参加可能です。日本ほど団結してがんばろうという感じはなく、どちらかというとスポーツ関係のsocietyはexerciseが目的といったところ。また、個人的に体育館を借りることも可能で、週末友達と運動するには最適の場所。施設内にはジムもあり、ウエイトトレーニングをやる人や、ランニングマシーンで汗を流す人々が数多く見受けられます。

Societyの話に戻ると、その中にはinternational society やJapanese societyといったような文化交流ができ、なおかつ友達を作れる場というのもあります。エラスムスというヨーロッパの留学制度に参加している学生中心に構成されている団体では、月に1、2回パーティーが開かれています。時に数百人参加する時もあり、異文化交流に興味がある人には、いろいろな国の人と話すいい機会だとおもいます。

Accomodation
この国の学生寮はご存知のとおりフラット制です。1つのフラットに数名の学生が住み、キッチンとトイレは共同。またコモンルームか大概設けられており、そこでみんなとテレビを見たり、食事をしたりというのが一般的。

僕が住んでいるのはMoberly Hallは少し違い、キッチンはあるがホットプレート(コンロ)がない。冷蔵庫は15人で1人用のが二つ。コモンルームはフラットになく、15階建てなのにエレベーターがたまに故障します。しかし、ここの場合Hall全体でフラットといった感じ。大きなコモンルームが1つあり、ひまな時はみんなそこに集まり、卓球、ビリヤード、テーブルフットボールは無料で。テレビ、DVDプレーヤーも備わっている。そこが週末は小さな映画館になることもあります。

毎週日曜日はHallの友達数人に加え、Hallに昔住んでいた人も参加して、みんなでFootball。さまざまな国の人がいるので、そこでも文化の違いを感じることがかなり多いです。例えば、少し誰かがミスをするとすぐに、チームメイトから非難の声が飛んでくる。表現はすごく直接的。攻撃的とも言えます。彼らにとってそれは普通なことで、そこが日本人と合わない部分でもあるかもしれません(イギリス人は日本人に近い人も多いようですが)。しかしそこで嫌ったり、避けてはここでの生活はなじめないでしょう。僕も最初は戸惑いましたが、最近ようやく言い返せるようになってきました。そうでないとやってられませんからね。留学の際、このような体験もすごく意味があると思います。この文化の違いを理解しないと将来海外で働いた時など、トラブルになったり、ストレスになったりするでしょう。これは日本人にとって不利なところ。一般的に日本人はストレスをため込みやすいので。生活をともにしてれば、対処の仕方も自然に身につきます。

その他
もちろんここに来たて、旅行をしないわけには行きません。国内外問わず、魅力的なところは多い。コツとしては、早めに計画を立てて、安い航空券を取ること。1ヶ月まえには要予約。週末で海外旅行もできたりします。

先輩の紹介にもありましたが、language exchange は英語を上達させるのに役立つひとつの手だと思います。日本に留学予定の学生が毎年4,5人いるので、その人たちとやってもいいし、Japanese society に行けば、日本に興味がある人が集まっているので探しやすでしょう。また、僕の場合は環境保護に興味があるので、ボランティアに参加したり、学校の授業の一環として行われるfield trip(野外実習のようなもの)に参加するなど、探し出せばいろんなことができると思います。

ここでは時間を作ろうと思えばいくらでも作れます。それぞれ留学することに対して目的があると思いますが、それに応じて自分なりの留学生活を作ることがここで楽しむコツであり、必要不可欠なことではないでしょうか。