吉田雄作 指導教官 中山和久
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【方法】two-hybrid systemは、LacZなどレポーター遺伝子の発現を指標にしてタンパク質間の相互作 用の有無を検出する方法である。まず,LacZの転写因子であるGal4のDNA結合領域と目的の遺伝子(ε-ア ダプチン、ε-アダプチンとσ-4)を組み込んだ発現ベクター(bait)と、Gal4の転写活性化領域に目 的の遺伝子(AP複合体の各サブユニット)を融合した発現ベクター(prey)を構築した。次に、酵母 に2種類のベクター(baitとprey)をco-transformし、トリプトファンとロイシンを欠如した培地で培 養した。生育したコロニーを液体培養し、o-Nitrophenyl-β-galactopyranoside(ONPG)を基質として β-galactosidase(LacZの遺伝子産物)の活性を測定した。目的とするタンパク質間の相互作用がある と、Gal4がDNA結合と転写活性化の両方の能力を持つことになり、LacZの転写因子としてβ -galactosidaseの生成を促進する。生成されたβ-galactosidase活性を調べることで相互作用が検出で きる。 【結果と考察】baitにε-アダプチンを使ったtwo-hybrid systemでは、ε-アダプチンはσ4と特異 的な相互作用を示し、共にAP-4に含まれると考えられるβ4-アダプチンや、他のアダプター複合体のサ ブユニットであるσ1やσ2とは相互作用をしなかった。ところが、baitにε-アダプチンとσ4を使っ たthree-hybrid systemにおいて、ε-アダプチンはσ4を介在させることによりβ4-アダプチンと特 異的に相互作用をした。また、β4-アダプチンとμ4が相互作用するというデータも他の研究室から 出ており、これらのことからβ4-とε-アダプチン、μ4、σ4は特異的に集合して相互作用をしあい、 AP-4を構成しているということが示された。 今後は新奇のアダプター複合体AP-4が細胞内で実際にどのような輸送課程に関与しているのかを解明し ていきたい。