N置換ホルムアミド分解菌のスクリーニング
指導教官 小林 達彦
深津 寛 (980815)
【目的】
本研究室では,近年,ニトリルの構造異性体であるイソニトリルの代
謝に関する研究を行っており,その成果として,イソニトリルを代謝する新規
酵素イソニトリルヒドラターゼを発見した。本酵素は,イソニトリルを水和し
てN置換ホルムアミドに変換する。一方、N置換ホルムアミドの代謝はよく分
かっていないのが現状である。本研究では,N置換ホルムアミド代謝酵素を有
すると考えられるN置換ホルムアミド分解菌を自然界より広くスクリーニング
し,その代謝機構を検討した。
【方法・結果】
数種のN置換ホルムアミドを単一窒素源あるいは単一炭素源とした培
地で生育できる菌を土壌から単離した。得られた菌のN置換ホルムアミド分解
活性を休止菌体反応により検討したところ,十数株に活性が認められた。本分
解反応はコントロール実験では起こらないことから,明らかにN置換ホルム
アミド加水分解酵素が関与していることが判明した。このうち,特に活性の強
い株について,培養条件を検討し,至適培養条件を決定した。現在、本酵素精
製を目的として,大量培養条件を検討しているところである。