つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3, XX (C)2004 筑波大学生物学類
微生物の薬剤応答に関する研究
坂下 俊秀 （筑波大学 生物学類 ４年） 指導教官： 小林 達彦 （筑波大学 応用生物化学系）
【目的】
環境中で微生物はともに応答しあいながら生命活動を繰り広げている。この応答の中には我々の知らない多くのメカニズムが存在し、これを一つ一つ明らかにし利用していくことは、基礎科学的にも産業的にも重要である。微生物間の応答、特に他の微生物が産生する物質に対する応答はこれまでも研究されていたが、その多くは依然として未知である。そこで、本研究では、微生物が産生する様々な化合物、もしくは微生物に作用する薬剤に対する種々の微生物の応答を解析し、微生物ネットワークを一つでも多く明らかにし、最終的には応用へ還元していくことを目的にしている。
【方法・結果】
抗生物質をはじめとする様々な化合物を培養時に添加し、その後の微生物の応答を表現形の変化を指標に、効果のある薬剤と微生物の組み合わせを明らかにする。その後、表現形の変化を起こす株から変化を起こさない変異株をスクリーニングし、その変化がどの遺伝子によるものかを明らかにする。
現在、様々な化合物を培地に添加し、その表現形の変化を観察している。