つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3: TJB200407FM3.

特集:大学説明会

参加希望者からの主な質問内容Q&A

      丸尾 文昭(生命環境科学研究科)  
       

1 教育内容について

Q.生物学類の特徴と生物学の分野ごとの授業内容について説明してほしい
Q.どの分野に力を入れているのか

A.筑波大学生物学類の特色は、大学院進学率が全学で1位という点、更に一学年の学生定員80名、教官数50名と全国1位を誇り、学べる領域が多岐に渡っているため、学生が選択できる専門分野の数が多いという点である。その結果、生物学類卒業生のカリキュラムに対する満足度も学内調査で常に全学1-2位というトップクラスを維持している。カリキュラムに関する生物学類独自の極めてユニークな特色は以下の2点にまとめることができる。
(1)基礎生物学を重要視した生物学・基礎主専攻、および生物学・応用主専攻の機能生物学コース:生物学のバックボーンとなる学問分野で、多くの国立大学では改組リストラによって消滅させた系統分類学や生態学など、生命現象を生物集団レベルで統合的に解明していこうとする統合生物学を主体とした基礎主専攻が中核となっている。もちろん最近の伸展が目覚ましいゲノムサイエンスや遺伝情報発現系、シグナル伝達、神経生理など、分子生物学的手法を用いることで生命現象を分子レベルで分析的に解明していこうとする情報生物学が中心の機能生物学コースも充実している。
(2)学際生物学を重要視した生物学・応用主専攻の応用生物化学コースと人間生物学コース:他大学の生物学科は組織上、数学、物理、化学、地学とともに理学部の一学科として存在するのに対し、本学では生物学科だけが生物学類として独立し、学際性を特徴とする第二学群に所属している。このアドバンテージを存分に生かしたのがこれらのコースの特色で、数学や物理学より生物学の応用分野である農学や医学との接点の方がより強い。応用生物化学コースは生化学や酵素化学、人間生物学コースはウイルス学や免疫学の講義も取り入れているのが特色である。
多くの大学の生物学科は改組によって何と基礎生物学の分野をリストラし、分子生物学のような売れ筋の分野のみを集めた単純なコンビニ・カリキュラムに変身している。これに対し生物学類では本学類の長い伝統にはぐくまれた基礎生物学の分野を大切にしているだけでなく、流行の分子生物学はもちろん、他大学では全く手を着けていない生物学と農学や医学など実用的学問との融合分野を精力的に取り入れた学際的なコースも開設している。このようなそれぞれのコースの多様な特色は、様々な個性と可能性を持つ学生諸君の要望に十分対応できるものであり、生物学類生や卒業生だけでなく社会からの評価も極めて高い。筑波大学生物学類の強みはまさにこれらの多様なコース設定にある。

Q.生物資源学類との違いを詳しく教えてほしい
A.生物学類が基礎科学としての生物学を指向しているのに対して、生物資源学類は農学・林学などの実用的学問領域を指向している。詳しくは、
生物資源学類 (http://www.bres.tsukuba.ac.jp/)
のWebサイトも参照されたい。

Q.自然学類との違いを詳しく教えてほしい
A.筑波大学では他大学の「理学部」から生物学科のみが独立して生物学類を形成し、残りが自然学類という形になっている。『受験』ではなく『研究』の世界では「理学(自然科学)」の中枢を生物学が占領している。つまり、もはや「自然科学」は「生物学」と「非生物学」に分類した方が実状を正確に反映しているといえる。他大学では、今でも生物学科は理学部の一学科という位置づけをしているが、これは上記の実状から考えると極めて不自然なことである。筑波大学では開設の早い時期から生物学類は自然学類と対等の立場にある。しかも、これもすでに述べたことであるが、生物学類は基礎生物学を根幹に置きながら、なおかつ生物学の周辺領域である医学や農学との学際領域も積極的の取り入れた専攻(生物学応用専攻)も設けられている。そう考えると、生物学類は「生命と文化」に関する学際領域を主体とした第二学群に所属している理由もおわかりいただけると思う。

Q.他大学とは違う筑波大学ならではの授業は何か
A.教養教育の充実を目的として筑波大学開学以来開設されている「総合科目」は、広い視野からのものの見方や考え方を身につけたり、学際的な観点に立った学問の重要性を学んだりする上で大きな効果がある。生物学類で提供している、「遺伝子がつくる文明」は全学から400名以上の受講者が集まる人気科目であり、「人生の達人が語る生物学のススメ−今甦る幻の名講義−」では生物学類退官教員の味のある講義が話題になっている。

Q.高校で生物を履修していないが、入学後の授業についていけるか
A.1年次に必修として受講する概論科目で高校生物の内容を取り上げつつ講義するので、生物学に対する興味と勉学意欲があれば全く問題ない。もちろん高校生物の教科書を通読しておけば役に立つはず。

Q.専攻分野は希望どおりなのか、成績順に割り振られるのか
A.人間生物学コースのみ実習定員の関係から20名を定員としているが、毎年ほとんど学生の希望通りになっている。ただし、定員を越えた場合は、成績順ではなく、主に志望理由書を中心に厳正に選抜している。

Q.カリキュラム選択の自由度
A.生物学類の授業科目は専攻分野コースに関わりなく、どの科目でも自由に履修することができる(人間生物学コースの一部の科目(2科目)は定員の関係でコース選択者のみ履修可)。他学類、学群の開設科目についても原則的に自由に履修することができるが、科目によっては履修条件が設定されているものもある。

Q.他の学群・学類の授業はどの程度受けられるのか(その余裕はあるのか)
A.1年次には必修科目で時間割のほとんどが埋まってしまうので、他学類の講義を履修するのは難しい。しかし、2, 3年次では余裕ができるので他学類の講義を履修する機会は十分あり、主専攻コースや時間割の組み方にもよるが、教職を取っている場合を除けば、多い人で年間3-8科目くらい履修が可能である。

Q.取得できる免許や資格にはどのようなものがあるか
A.
教職課程の科目を履修し、要件を満たせば教員職員免許状(中学校教諭一種、高等学校教諭一種の理科)が取得できる。また、学芸員の資格も取得可能であるが、履修計画を綿密に立てる必要がある。

Q.教職を生物だけでとることは難しいか
A.
質問の本意が不明であるが、「生物」ではなく「理科」の免許状となるので、生物に関連した科目をたくさん履修するとしても、必要最低限のほかの理科分野の科目や教職課程共通の科目などを履修しなければ取得要件を満たせない。

Q.1,2年次から研究室へ出入りし、実験できるのか
A.
研究室で研究を行う卒業研究は4年次の1年間である。1,2年次から興味のある研究室へ訪問することは可能である。また、学業に支障のない範囲で、研究補助のアルバイトとして研究室に出入りしている学生もいる。ただし、あまり早い時期に、つまり他のさまざまな分野を十分に理解する前に自分の専門分野を決めることは「専門バカ」になる可能性があるため薦めていない。

Q.ゼミは教員一人に対して、学生は何人か
A.
この「ゼミ」というのは、理科系分野では卒業研究の「研究室」に相当するものと思われる。卒業研究の指導教員一人あたり指導する学生は、最大3名までとなっており、きめの細かな指導を責任を持って行える体制をとっている。

Q.研究内容について説明してほしい
A.
生物学類の教員は実に広範囲の生物学の専門家が揃っており、あらゆる分野の卒業研究テーマが提案される。昨年度の卒業研究のタイトルから6つ拾っただけでも、「導管液レクチンの遺伝子発現および機能の解析」、「テトラヒメナの細胞質分裂におけるタンパク質p85の機能解析」、「ES細胞を用いた突然変異型ミトコンドリアDNA導入マウスの作製」、「ショウジョウバエ幼虫を用いた嗅覚行動の解析」、「東京湾産新種プラシノ藻の研究」、「2種のマルハナバチの自然巣におけるコロニー発達について」など、多岐にわたる専門分野のタイトルが並ぶ。詳しくは、卒業研究のWebページ(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/cbs/sotsuken/)、または「つくば生物ジャーナル」Vol.3 No.2, 2004(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/)を参照のこと。また、教員の研究内容も「つくば生物ジャーナル」Vol.2 No.8, 2003(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/)で紹介している。

Q.微生物の研究にはどのようなものがあるのか
A.
微生物系統進化学、微生物学、微生物遺伝生化学、微生物育種工学、応用微生物学などを専門分野とする教員がおり、「微生物の薬剤応答に関する研究」、「病原細菌における非翻訳型RNAによる毒素遺伝子発現制御機構の解析」、「微生物由来のニトリルヒドラターゼの解析」、「土壌中における生分解性プラスチック表面の微生物相解析」、「ウェルシュ菌におけるagaオペロンの発現制御」などの卒業研究テーマが昨年度提供されている。詳しい研究内容は、「つくば生物ジャーナル」Vol.2 No.8, 2003やVol.3 No.2, 2004(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/)を参照のこと。

Q.水界生態学の研究で卒業論文を書くことができるか
A.
海洋・湖沼における物質循環と有機物の動態について研究する「水圏生態学」や海洋における動物と植物の相互関係について研究する「海洋生態学」を専門分野とする教員がおり、「安定同位体比および脂肪酸組成を用いた鍋田湾干潮帯における食物連鎖網の解析」、「植物プランクトンにより生産された有機物の分解過程」、「下田沿岸産クラゲムシ類の生態学的研究」、「アマモ葉上に出現するタナイスの生活史と繁殖生態」などの卒業研究テーマが提供されている。詳しい研究内容は、「つくば生物ジャーナル」Vol.2 No.8, 2003やVol.3 No.2, 2004(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/)を参照のこと。

Q.企業と共同研究しているものはあるのか
A.
農学や医学との境界領域の応用生物化学コースや人間生物学コースに関連する教員は企業との共同研究も多い。基礎生物学分野の場合、それほど件数は多くないが、たとえば、企業との共同研究が卒業研究のテーマにもなった「ウーロン茶成分のミトコンドリア膜電位と繊毛・べん毛運動に及ぼす影響」などは、興味深い研究結果が得られた。

Q.マンチェスター大学への留学者数,留学条件は何か
A.
生物学類の3年生および4年生(留学時)で、派遣学生選考の応募基準としてTOEFL試験成績Paper based test 550 (Computer based test (CBT) 213)のスコアが最低の目安。詳しくは、生物学類国際交流のWebページ(http://www.biol.tsukuba. ac.jp/cbs/kokusaikouryu/)を参照のこと。

Q.マンチェスター大学以外への留学者数
A.
年に1名から数名程度、米国やオーストラリアなどの大学へ留学している。学類在学中よりも大学院での留学のほうが多い。

2 学生生活について

Q.学食はおいしいか
A.
学内には20以上の学食(食堂、喫茶、専門店)がある。味覚には個人差があるので、一概には言えないが、きっと気に入った店が見つかるに違いない。また、学生や教職員の意見を反映して定期的に厚生施設の出店企業の見直しがされているため、評判の悪い学食は入れ替えが行われる。

Q.学生宿舎の入居基準、生活環境、利用状況(夏期休講中も利用可能か)
A.
新入生は優先的に入居できるように配慮されているが、入居希望者が計画数を上回った場合は、大学近隣からの通学可能者は入居できないこともある。個室は約9平方メートルの広さで各棟に談話室、洗濯室、補食室などがある。宿舎の各地区の共用棟(生活センター)には、食堂、浴場、売店、理・美容室など日常生活に必要な施設が設けられている。夏期休業中は継続利用することも、一時退去して宿舎費を節約することも可能である。

Q.大学周辺のアパート等利用状況(大学から紹介してもらえるのか、家賃は)
A.
大学の周辺には多くのアパート・マンション等があり、種類も豊富なので、経費に見合った選び方もできる。アパート等を探す方法は先輩からの引き継ぎ、知人の紹介、不動産業者への依頼があるが、学群・学生部学生生活課(学生宿舎担当)でも物件資料の閲覧ができる。平均的なアパート(6畳・台所・バス・トイレ付き)の家賃は月額約30,000円〜50,000円位。

Q.学内移動手段は何を必要とするか
A.
キャンパスが広大なため、学内連絡バスが運行しているが、自転車で移動する学生が多い。なお、学内の移動に自家用車を利用することはできない。

Q.どのようなサークルがあるか(活動内容)
A.
文化系サークル連合会、体育会、芸術系サークル連合会に属する200以上のサークルが活動している。生物関係のサークルとしては、海洋研究会(海洋生物の観察など)、ねっしー・自然教育研究会(小中学生中心に自然教育活動)、野生動物研究会(鳥、虫、魚などの野外観察)などがある。詳しくは、課外活動のWebページ(http://www.sakura.cc. tsukuba.ac.jp/~gakutan/circle.html)を参照のこと。

Q.勉強とサークルの両立は可能か
A.
時間と体力の余裕があれば、ほとんどの体育会系サークルにも入部できる。生物学類の学生で、応援団長や体育会系サークルのレギュラークラスを勤めて、順調に卒業した学生もいる。文科系、芸術系サークルの場合は、きちんと自己管理して計画的に生活すれば十分に両立できるはず。

Q.学生はどのようなアルバイトをしているのか(サークルとの両立は可能か)
A.
家庭教師、塾講師、コンビニ店員、自然教育活動のスタッフなど様々。学群棟の掲示板にアルバイトの求人が掲示されている。学業とサークルとアルバイトをうまく両立させられるかは本人次第だが、無理なく計画すれば順調に卒業できるはず。

3 卒業後の進路・就職について

Q.生物学が必要な職業はどんなものがあるのか
Q.就職する場合、生物学を学んだことをどのように生かせるか(生かしている卒業生の割合)
Q.主な就職先、職種について教えてほしい(「その他」に該当する人の具体的進路先についても教えてほしい)
A.
生物学類の教育目標は生物学の研究者と教育者の育成である。したがって、私たちのカリキュラムは手に職をつけること、すなわち「役に立つ技術」を身につけることを目的としていない。私たちの教育の最も重要なセールスポイントは「役に立つ技術」ではなく「科学する能力」を身につけることなのである。「科学する能力」は、皆さんが大学院に進学して研究者になったり教育者になるには、当然必須のものである。ところが、この「科学する能力」は何も研究者や教育者にだけ必要なのではなく、実はどのような職種にも必ず要求される極めて重要な能力なのである。これは、「問題発見解決型学力」、つまり問題点を自ら見つけ、それを探求心や創造力を持って解決できる学力とまさに同等であり、21世紀の社会ではどのような職種であれこのような「科学する能力」がますます要求されるようになるはずである。したがって、生物学類で生物学を学んだのに、生物学とは直接関係のない職業に就く学生がいても決して不思議なことではないし、事実思いがけない職種で大活躍している生物学類卒業生はたくさんいる。
生物学類卒業生の進学率(80%以上)は全学で最も高く、主に筑波大学の大学院に進学している。その中でも4割が修士課程、残りの6割が博士課程に進学している。大学院修了後は筑波大学、東京大学、京都大学などの大学、国立感染症研究所、国立がんセンター、国立遺伝学研究所、自然科学研究機構(旧岡崎国立共同研究機構)、理化学研究所などの研究所、製薬・食品などの企業で研究者として活躍している卒業生が多い。また、外国の大学や研究所で活躍する卒業生もいる。
卒業後すぐに就職した学生は、企業、官公庁、学校などの社会の各分野で、未来志向と問題解決型の人材として高く評価され、社会の担い手として活躍している。企業では、製薬、食品、製造、マスコミ、IT、銀行などのほか、水族館などへの就職もある。具体的な内容は「生物学類卒業生の進路」(http://www. biol.tsukuba.ac.jp/cbs/gakuruiannai/epage20.html) (「その他」の項目は、調査時点就職活動中などで進路未定の卒業生。卒業後1年の間に進学または就職することが多い。)などを参照されたい。

Q.女性の就職率
A.
今年3月の卒業生では、製薬や食品などの企業に4名、高等学校の教員に1名が就職した。5名すべて女性であった。また大学院へ進学する卒業生のほぼ半数は女性である。

Q.動物の分類学が役に立つのはどのような職種があるか
A.
研究者、教育者はもちろんのこと、次の質問にある動物保護等に関係する仕事や博物館の学芸員、自然系のライター、環境関連企業など多岐にわたる。しかし、大学の4年間(特に卒業研究の1年間)で専門とした分野に固執しなくても、生物学類で身につけた「科学する能力」や「問題発見解決型学力」を最大限に生かせば、どんな職種についても活躍できるはずである。

Q.動物保護等自然環境を守る関係の仕事の就職実績(具体的な職種名)
A.
研究者として希少動物の保護活動に関連した研究を行っている卒業生がいる他、日本野鳥の会職員、旅行会社のエコツアーの企画運営部門、県庁の環境部門、自然観察の森のレンジャーなどで活躍している卒業生もいる。

Q.大学院進学率(他大学大学院進学先,進学率)を知りたい
A.
過去5年間の大学院進学率の平均は75%で全学で1位である。特に今年3月の卒業生の大学院進学率は87%と極めて高率であった。他大学の大学院は東京大学や京都大学、大阪大学などに毎年数名が進学している。

Q.大学院進学の利点
A.
生物学類で身につけた「科学する能力」や「問題発見解決型学力」をさらに伸ばし、独創性に富んで国際的に活躍でき、国際的に通用する研究者や、高い問題解決能力を持った高度専門職業人になるための教育や経験を得ることができる。卒業研究はサイエンスのおもしろさに触れる入口の1年間であるが、大学院に進学すれば、サイエンスの世界にどっぷりと浸かった日々が送れる。

Q.大学院進学の際のフォローはあるのか
A.
平成19年度大学院入学試験から筑波大学大学院の一部の専攻では、TOEFLおよびTOEICを入学試験に導入する。生物学類では、民間英語教育機関と連携してTOEFL講座およびTOEIC講座を開講し、「生きた英語力」を身につける方法を学びTOEFL/TOEICのスコアアップを目指す。

4 入学試験について

Q.高校在学中の活動は推薦に有利か
A.
活動内容によっては高く評価される。また、推薦要件にもなり得る。正確には、筑波大学Webページ学群・学類入学情報(http://www.tsukuba.ac.jp/nyugaku/u-guide/)を参照すること。

Q.今後、前期日程のみ実施すると聞いたが、その理由は
A.
生物学類については、前期日程も後期日程も重要であると考えているので、今のところ、前期日程のみ実施に変更する予定はない。

Q.後期試験の面接の内容について
A.
生物学に対する考え方、理解力を問う。正確には、筑波大学Webページ学群・学類入学情報(http://www.tsukuba.ac.jp/nyugaku/u-guide/)を参照すること。

Q.物理受験者より生物受験者を優先するか
A.
そのようなことはない。

Q.平成18年度入試において、旧課程履修者と新課程履修者に求めることは同じか
それはどのようなものか
A.
特定の教科・科目については旧教育課程履修者に対する経過措置が予定されている。詳細については、9月下旬に公表される「平成17年度学生募集要項」を参照すること。

5 その他

Q.大学の先生が考える学生にいちばんあってほしいものは何か
A.
生物学類では最低以下の三つの条件のいずれかを、できればいずれも満足できる生徒に入学してほしいと考えている。第一に生物学の研究者や教育者を目指す生徒。第二に生き物や生物学が好きで、とりわけ生命現象に対して好奇心と探求心のある生徒。第三に生物学類のカリキュラムをクリアできる能力を持つ生徒である。そのためには自分の好きな分野だけではなく、やりたくない嫌いな分野の授業でもきちんとこなすことができる能力を持ち、さまざまな障害を英知を持って克服できなければならない。この能力は生物学類で卒業研究を遂行していく上でも、大学院に進学しても、社会に出てからも要求される大切な能力である。
  そして生物学類の4年間で、「役に立つ技術」ではなく「科学する能力」を身につけてほしい。これは、「問題発見解決型学力」、つまり問題点を自ら見つけ、それを探求心や創造力を持って解決できる学力とまさに同等であり、21世紀の社会ではどのような職種であれこのような「科学する能力」がますます要求されるようになるはずである。

Q.体験学習を予定しているか
A.
毎年一般高校生対象の公開講座を下田臨海実験センターと菅平高原実験センターで夏休み期間中に実施している。今年度の講座内容は、「海洋環境と生物科学」と「高原の自然観察−生物どうしのかかわりあい−」で、残念ながら募集期間は終了している。案内が筑波大学公開講座のWebページ(http://www.tsukuba.ac.jp/koho/koukai.htm)に掲載される。生物学類生向けの講演会が毎年著名な生物学者を招いて開かれるほか、不定期に一般参加も可能なやや専門的な内容の講演会が開かれている。その他の高校生対象公開講座や教育連携講座、出前授業なども多数実施しており、該当する高等学校で募集が行われている。

Contributed by Fumiaki Maruo, Received July 28, 2004.

©2004 筑波大学生物学類