つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G110321

動 物 系 統 分 類 学 II      Animal Systematics II

科目番号: G11 0321
単位数: 1単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第3学期 水曜日 3時限
担当教員: 和田  洋


授業概要: 
 動物系統分類学Iで学んだ多様な動物がどのような歴史的変遷のなかで進化してきたのかについて、アリストテレスまでさかのぼる系統分類学の歴史的な蓄積に、最先端の研究成果を交えながら講義していく。その中から現代の系統進化学研究のフロンティアが自ずと見えてくる。
 前半で、主に分子系統学の成果と問題点を紹介し、後半では、比較形態学・比較発生学・比較ゲノム科学の成果をもとに進化の歴史を考えていく。進化生物学は歴史を推定することが必要になるために、ときとして「トンデモ」科学になる危険がある。現生の生き物の比較から論理的に歴史を再構成していく方法論に関して、第一回目の講義でとりあげる。

授業内容:
(1) 動物系統進化学の歴史と理論 
(2) 遺伝子がゆるがす系統樹 分子系統学の成果と問題点
(3) ゲノム時代の系統学へ
(4) 形態の設計図を比べる 個体発生は系統発生を繰り返すのか?I
(5) 多細胞動物の祖先を復元する Hoxが教えてくれたもの
(6) カンブリア紀の大実験 三胚葉動物の進化と、背腹の逆転?
(7) 幼生は進化するのか? 個体発生は系統発生を繰り返すのか?II
(8) 脊索動物の誕生 オタマジャクシ型の体制の進化
(9) 脊椎動物の繁栄 ゲノムの壮大な実験
(10) まとめ:遺伝子進化と形態進化の架け橋

前提科目・履修上の注意事項: 動物系統分類学Iを履修していることが望ましい

単位取得条件、成績評価基準: レポートに出席状況を加味して評価する

指定教科書: なし

参考書・文献:
1) マクロ進化と全生物の系統分類 シリーズ進化1 岩波書店
2) 発生と進化 シリーズ進化4 岩波書店
3) 無脊椎動物の多様性と系統 バイオディバーシティー・シリーズ5 裳華房
4) DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議 羊土社
5) 系統発生パターンと進化のプロセス 蒼樹書房
6) 動物進化形態学 東京大学出版会

オフィス・アワー: 
生農棟B516で随時、Tel&Fax 029-853-4671、hwada@biol.tsukuba.ac.jp
事前に連絡してください。

備考(受講学生に望むこと):


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