つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4 TJB2005G110413

動 物 系 統 分 類 学 実 験 I      Animal Systematics,Laboratory I

科目番号: G11 0413
単位数: 1.5 単位
標準履修年次: 2年
実施学期 曜時限: 第1学期(前半)月、火曜日 3,4,5時限
担当教員: 八畑 謙介


授業概要:
 動物界には100万を超える種があると言われていますが、われわれが日頃目にする動物の種数はごくわずかです。しかし、われわれの周囲を少し注意してみれば、そこには驚くほど多くの、しかも多様な分類群に属する動物が生きて活動しているのを見ることができます。本実験では、自然に近い環境に恵まれた本学の構内や周囲で身近な水生・陸生・寄生性の動物を実際に採集し、それらの形や行動の特徴をできる限り詳細に観察します。そのことから、それぞれの動物群に固有の特徴を明らかにし、系統分類上の位置を調べ、また分類群間の系統関係を考えます。また、われわれ自身もその一員である実在の動物界の一端を垣間見ることにより、自然・生物・動物・人間などについて考えをめぐらすよい機会にもなることでしょう。

授業内容:
第1,2回 水生動物の採集と観察
第3,4回 水生間隙動性物の採集と観察
第5,6回 陸生間隙動性物の採集と観察
第7,8回 寄生性・共生性動物の採集と観察
第9,10回 自由採集と観察

前提科目・履修上の注意事項:
 「分類学概論」を事前に履修していること。また必須条件ではないが「動物系統分類学 I 」を履修中(または履修済み)であることが望ましい。
 実習の内容や順序は天候などにより変更することがある。実習中の事故などに備えて保険に加入しておくことが望ましい(保険に関しては生命環境科学等支援室に相談するとよい)。

単位取得条件、成績評価基準:
 毎回の観察結果発表および実験終了後の課題レポートを課す。遅刻・欠席状況や実習に対する態度も加味して評価する。

指定教科書: なし(資料を配付する)

参考書・文献:
 必要な図鑑類などは実験室および図書館に用意してあるが、参考書の例としては次のようなものがある(たくさんあるので一部を示すが、いずれも購入するしないは自由)。
1) 動物系統分類の基礎 内田亨著 北龍館
2) 無脊椎動物学概説 レヴロック・ダンド著,西脇・牧岡訳 弘学出版
3) 無脊椎動物の多様性と系統 岩槻・馬渡監修,白山編集 裳華房
4) INVERTEBRATES Brusca & Brusca SINAUER など
また、「分類学概論」の配付資料も参考になる。

オフィス・アワー:
八畑/菅平高原実験センター(TEL. 0268-74-2002 E-mail yahata@sugadaira.tsukuba.ac.jp )

備考(受講学生に望むこと):
 今まで見たことのない動物を1つでも多く自分の手で採集し、自分の目で見てみたいという情熱のある人を歓迎します。いったいどれだけ多くの動物を実際に手に取り自分の目で観察することができるのでしょうか。楽しみです。
 なお事前に「分類学概論」の復習をしておくとよいでしょう。


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