つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G110423

動 物 系 統 分 類 学 実 験 II      Animal Systematics,Laboratory II

科目番号: G11 0423
単位数: 1.5 単位
標準履修年次: 2年
実施学期 曜時限: 第1学期(後半)月、火曜日 3,4,5時限
担当教員: 和田  洋


授業概要:
 多様な動物の体制について、動物形態分類学臨海実習・動物系統分類学実験Iで直接観察したことに続き、本実験では脊椎動物と無脊椎動物をつなぐ系統学的な位置づけにある原索動物:尾索動物ホヤと頭索動物ナメクジウオを中心に、様々な方法で対象とする動物について調べ、進化の歴史を考察する。まず、ホヤとナメクジウオの成体・幼生の形態を観察し、脊椎動物との類似点、異なる点を理解する。次に、現生種の比較から歴史を推定するために必要な互いの系統関係について、18S rDNAの塩基配列を決定し、分子系統学的に解析を行う。また、遺伝子の配列の比較ではなく、遺伝子の構造の比較から系統関係を推定する最先端の研究も体験してみる。最後に、脊椎動物を特徴づける脳や骨の進化を考えるために、脳や骨の形成の関わる遺伝子がホヤやナメクジウオでどのような発現をしているかをin situ hybridization法で調べる。以上のようにして得られた情報を総合的に考察して、脊椎動物の進化について議論する。

授業内容:
第1回 ホヤの形態観察 発生過程の観察
第2回 ナメクジウオの形態観察
第3回 分子系統学解析1 DNAの抽出からPCR
第4回 分子系統学解析2 塩基配列の決定
第5回 分子系統学解析3 配列の解析と系統樹の作成
第6回 遺伝子の発現解析1 in situ hybridization1
第7回 遺伝子の発現解析2 in situ hybridization2
第8回 遺伝子の発現解析3 顕微鏡での観察
第9回 総合考察・討論
第10回 総合考察・討論

前提科目・履修上の注意事項:
動物形態分類学臨海実習・動物系統分類学実験Iを受講していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準: 出席・レポートにより評価する

指定教科書: なし

参考書・文献:
1)ホヤの生物学 東京大学出版
2) 分子進化 解析の技法とその応用 共立出版
3) マクロ進化と全生物の系統分類 シリーズ進化1 岩波書店
4) 発生と進化 シリーズ進化4 岩波書店
5) DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議 羊土社

オフィス・アワー:
生農棟B516で随時、Tel&Fax 029-853-4671、hwada@biol.tsukuba.ac.jp
事前に連絡してください。

備考(受講学生に望むこと):


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