つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G111801

動 物 生 理 学 II     Animal Physiology II

科目番号: G11 1801
単位数: 1 単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第3学期 月曜日 1時限
担当教員: 中谷 敬


第3学期(担当教員: 中谷 敬)

授業概要:
  生動物は光,音,匂い,味,などの質の違うさまざまな情報をそれぞれの感覚器官で受容し,それらの情報は感覚細胞内で電気的信号に変換され,さらに脳へと伝えられる。脳を含む生体内の神経ネットワークでは,送られてきた感覚情報が処理され,その結果脳で外界の状況を認知することができる。授業では,ヒトを含む脊椎動物の感覚に焦点を絞り,性質が全く異なったさまざまな感覚情報が,それぞれの感覚細胞で巧妙に受容されるしくみを比較するとともに,主として視覚系について視細胞から脳の視覚領野までの情報処理のメカニズムを解説する。また,脳の高次機能の例として,記憶のしくみについても言及する。

授業内容:
(1)視覚の初期過程(光レセプター蛋白質ロドプシンと光受容のしくみ)
(2)視細胞の光応答と色覚
(3)光シグナル伝達機構とcGMP 依存性チャネル
(4)視細胞内での光信号モジュレーション(明順応の分子メカニズム)
(5)光感受性神経節細胞とサーカディアン・リズム
(6)網膜内の細胞ネットワークによる視覚情報処理
(7)視覚中枢
(8)化学感覚(嗅覚と味覚)
(9)聴覚・その他の感覚
(10)脳の高次機能 (記憶・学習のしくみ)

前提科目・履修上の注意事項: 動物生理学Iまたは生物物理学I を履修していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準: 学期末に論述形式の試験を行う。

指定教科書: なし。( ハンドアウトを配布します。)

参考書・文献:
1) Principles of Neural Science, 4th edition. (Eric Kandel et al., 2000, McGraw-Hill)
2) 生物のスーパーセンサー (津田基之 編,1997,共立出版)

オフィスアワー:
月曜日16 時〜 18 時,他随時; 生物農林学系棟F603 (Tel. 6672)
E-mail: nakatani@biol.tsukuba.ac.jp
Website: http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~nakatani/

備考(受講学生に望むこと):

©2005 筑波大学生物学類