つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4 TJB2005G112303

進 化 遺 伝 学 実 験     Evolutionary Genetics,Laboratory

科目番号: G11 2303  
単位数: 1.5 単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第2学期 木曜日 3,4,5時限
担当教員: 小熊  譲、澤村 京一


授業概要:
 ショウジョウバエを用いて実験を進める。ショウジョウバエが遺伝、進化の研究に盛んに使われる理由は、近縁種が豊富、一世代が短い、実験室での飼育が容易、多数の個体を一度に扱える、突然変異体など遺伝的標識が多数ある、唾液腺染色体がある、などである。本実験では多数個体のハエを扱うため、雌雄の判別、麻酔のかけかた、ハエの選別方法などの基礎的技術をしっかりと身につける。唾液線染色体及び核型染色体標本を作成することにより、これらが種分化の研究にどのように利用されているかを理解する。遺伝子頻度の偶然的固定としての遺伝的浮動の実験行い、浮動の重要性を理解する。

授業内容:
第1回 ショウジョウバエ遺伝学の歴史、実験器具準備、実験概要説明
第2回 雌雄の見分け方、突然変異体の観察、交配実験(二遺伝子、伴性)
第3回 生活環、外部形態、内部形態の観察
第4回 三点実験による遺伝子配列決定方法の理解と修得
第5回 組換えと組換えの抑制実験とその進化的意義
第6回 唾液線染色体標本の作成と逆位の観察、その進化的意義
第7回 近縁種を用いての核型染色体標本作成、及び進化的考察
第8回 眼色突然変異の分析
第9回 遺伝的浮動実験とその進化
第10回 ショウジョウバエの分類、同定と形態進化 

前提科目・履修上の注意事項:進化遺伝学の履修が望ましい。

単位取得条件、成績評価基準:レポートによる評価

指定教科書:

参考書・文献:
ショウジョウバエの遺伝と実験 森脇大五郎編 (培風館)

オフィスアワー:月曜日5時から6時、生農棟B412 

備考(受講学生に望むこと):
 ショウジョウバエの成育に合わせて実験を行うので、時間外の作業を要する。労力に比べて単位数が少ないと感じるかもしれないが、データを集計するときの感動は忘れがたいものになるはずである。


©2005 筑波大学生物学類