つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4 TJB2005G113171

生 物 学 特 講 VII 〔昆 虫 学〕     Topics in Biology VII 〔Entomology〕

科目番号: G11 3171
単位数: 1単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第3学期 水曜日 2時限
担当教員: 町田 龍一郎


授業概要:
 昆虫類は動物界で約3/4の種類数を占める、地球上で最も繁栄している動物群の一つである。このような昆虫類はどのように地球上に現れ、そして進し、現在に至ったのであろうか。昆虫類は翅を含めた特徴的な体制を獲得したが、このような昆虫類の体制が体節動物・節足動物の系統進化のなかで出現してきた過程はどのようなものであったのだろうか。そして、未だに見方が定まっていないが、このように多様性に富む昆虫類の最も妥当な高次系統はどのようなものであろうか。比較発生学・比較形態学の立場から、系統進化の視点に立って、昆虫類を考えて行く。そして、このような昆虫類の考察を通して、動物系統分類学の実際に触れる

授業内容:
(1) 昆虫学とは:本講義の視点
(2) 節足動物とその一員としての昆虫
(3) 昆虫類の特徴T:外部形態
(4) 昆虫類の特徴U:器官系その他
(5) 昆虫類の特徴V:体制とその由来
(6) 翅の獲得
(7) 単系統群と多系統群
(8) 昆虫類の高次系統
(9) 昆虫類の系統分類
(10) 昆虫系統学の最近の話題と今後

前提科目・履修上の注意事項:
「形態学概論」・「動物分類学概論」・「動物系統分類学」を履修していることが望ましい

単位取得条件、成績評価基準: 論述試験に出席状況を加味して評価する

指定教科書: なし。資料を配布する

参考書・文献: 授業の中で紹介するが、例えば次のようなものがある
1)動物系統分類学 第7巻下A・B・C 内田編 中山書店
2)昆虫分類学 平嶋他編 川島書店
3)昆虫発生学 上巻 安藤・小林編 培風館

オフィスアワー:
菅平高原実験センター(0268-74-2002、machida@sugadaira.tsukuba.ac.jp)

備考(受講学生に望むこと):
 「昆虫学」はたいへん興味深い学問です。一所懸命やりますから、皆さんも一所懸命受講して下さい。それでも分からないところがでてくることでしょう。臆せずにどんどん質問して下さい(ドダイ、クダラナイ質問というものなどはないのですから、「こんなこと聞いてもいいかな?」なんて、ユメユメ思わないように!)。それを私は切望しております。講義が終了したときに、皆さんが「昆虫て結構スゴイ!」、「(本講義がバックボーンする)系統学という学問はオモシロソウ!」と思われんことを


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