つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G210311G230701

生 体 機 能 分 子 学 I     Biology on Molecular and Functional Basis I

科目番号: G21 0311、G23 0701
単位数: 2単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1・2学期 金曜日 2時限
担当教員: 小林 達彦、谷本 啓司


第1学期(担当教員: 小林 達彦)

授業概要:
 研究を行う上で、どのようなテーマを設定するか、どのような実験系を組むか、得られたデータや現象をどのように解釈するか、また、どのように研究を展開させるかは、極めて大事なことです。特に、本講の1回目にまず「考えること」の重要性をお話します。
 本学期では、近年のゲノム研究や試験管内進化工学等の展開について概説します。また、生命現象の根幹を成す「代謝(Metabolism)」を分子レベルで理解することも重要です。ややもすれば遺伝子解析中心のサイエンスにおいて、実際に生体内で機能する主な分子はタンパク質・酵素であり、それによって「代謝」が行われます。代謝生理についてお話し、さらに、生体機能を解析することで得られる基礎的知見がどのように応用へ還元し得るかも、実例等を紹介しながら概説したいと思います。

授業内容:
(1)  考えること。 生物とは?
(2)  ゲノムプロジェクト
(3)  DNAチップとメタボリズム
(4)  大腸菌はどこまで生存し得るか?
(5)  環境に対する応答
(6)  抗生物質生合成の遺伝子制御
(7)  極限環境微生物
(8)  毒性化合物の分解代謝
(9)  分子(進化)工学
(10) まとめと説明の追加

前提科目・履修上の注意事項: 特にありません

単位取得条件、成績評価基準: 出席状況を考慮します。

指定教科書: 講義中にプリントを配布します

参考書・文献: 講義中にプリントを配布します

オフィスアワー: 水曜日18から19時迄(総合研究棟A棟613)

備考(受講学生に望むこと):


第2学期(担当教員: 谷本 啓司)

授業概要:
生命現象の根幹を成す化学反応のほとんどはタンパク質である酵素の働きによって行われています。酵素は、高い基質特異性・反応性という特性を生かして、生化学反応を温和な条件下で効率的に触媒しています。本学期の前半は、酵素タンパク質の組成・構造、精製法、反応速度論から酵素活性の調節機構までを平易に解説します。後半は、食品、あるいは医学といった様々な分野における酵素利用や、そのために必要な酵素の改変等、酵素の応用を主に題材としてとりあげます。また、より複雑な生命現象における酵素の役割、あるいは生命科学研究における酵素利用についても解説・展望したいと思います。

授業内容:
(1) 酵素タンパク質の構造
(2) 酵素タンパク質の精製(生化学的精製・遺伝子工学の利用)
(3) 酵素触媒機能の解析(反応速度論を含む)
(4) 酵素タンパク質の発現調節
(5) 酵素のタンパク質工学
(6) 酵素の応用(食品・医学等)
(7) 酵素・基質反応を利用した動物染色体工学
(8) 血圧を決定する酵素・基質反応系(レニン・アンジオテンシン系)
(9) 生物の寿命と酵素
(10)高度な生命現象における酵素(ゲノミック・インプリンティングを例に)

前提科目・履修上の注意事項: 特にありません

単位取得条件、成績評価基準:
学期末試験により評価しますが、授業への取り組み姿勢、出席状況も考慮します。

指定教科書: 講義中にプリントを配布します

参考書・文献: 講義中にプリントを配布します。

オフィスアワー:
水曜日15から17時迄(事前に連絡して下さい)。Tel, 029-853-7300
E-mail, keiji@tara.tsukuba.ac.jp(TARAセンター)

備考(受講学生に望むこと):


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