つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G210801

機 能 微 生 物 学     Functional Microbiology

科目番号: G21 0801
単位数: 2単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1・2学期 火曜日 1時限
担当教員: 山岡 裕一


第1学期(担当教員: 山岡 裕一)

授業概要: 
 自然界には、細菌類、放線菌類、真菌類、藻類、線虫など様々な微生物が存在する。その中には、光合成や窒素固定をする能力があり独立に生きているもの、他の生物の遺体を分解し餌としているもの、他の生物に寄生または共生して生活するものなどがあり、その生活様式や生息場所は様々である。そのため、微生物はそれぞれの生活様式や生息場所にあった様々な機能を有している。本講義では、このうち他の生物(特に植物)に寄生または共生して生活している微生物の生理的、生態的機能ならびに特定な環境下で腐生生活している微生物の機能について解説する。第1学期は、植物に寄生する微生物の生活環と寄生様式ならびに宿主−寄生菌間の相互作用について解説する。また、様々な環境下で生活している腐生菌の生理的、生態的機能についても学ぶ。

授業内容:  
(1) 微生物の生活様式と生息場所  
(2) 微生物と環境要因  
(3) 植物寄生菌の寄生様式と生活環(1)絶対寄生菌  
(4) 植物寄生菌の寄生様式と生活環(2)条件的寄生菌、条件的腐生菌  
(5) 植物寄生菌の感染機構(宿主の認識、侵入、定着)  
(6) 植物寄生菌の病原性発現機構  
(7) 宿主の抵抗性発現機構  
(8) 植物寄生菌と宿主の相互作用  
(9) 腐生菌の生活様式と機能(1)植物性基質の分解  
(10)腐生菌の生活様式と機能(2)特殊環境下に生息する微生物

前提科目・履修上の注意事項: 特になし。

単位取得条件、成績評価基準:
学期末の論述試験またはレポートによる。また、出席状況も考慮に入れる。

指定教科書: 特になし。適宜資料を配布する。

参考書・文献: 
1)総説植物病理学(江原淑夫他著) 養賢堂 
2)菌類と人間(三浦宏一郎・徳増征二訳) 共立出版
3)微生物科学4 生態(柳田友道著) 学会出版センター
4)森林微生物生態学(二井一禎・肘井直樹編著) 朝倉書店

オフィス・アワー:
火曜日14時から15時まで ;場所 生物農林学系棟C708 ;TEL 6708
メールアドレス:yyamaoka@sakura.cc.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと): 遅刻をしないこと。積極的な態度で授業に望むこと。


第2学期(担当教員: 山岡 裕一)

授業概要:
 第2学期は、植物や昆虫に共生する微生物の生理的、生態的機能、ならびにこれら生物間の相互関係について解説する。さらに、微生物−動物(昆虫)−植物の相互関係の中で微生物がどの様な役割を演じているのか学ぶ。

授業内容:  
(1) 微生物と植物の共生(1)菌根  
(2) 微生物と植物の共生(2)根粒  
(3) 微生物と植物の共生(3)内生菌  
(4) 微生物と植物の共生(4)地衣  
(5) 微生物と昆虫の共生(1)食菌性昆虫と微生物  
(6) 微生物と昆虫の共生(2)食材性昆虫と微生物  
(7) 微生物−昆虫−植物の相互関係(1)  
(8) 微生物−昆虫−植物の相互関係(2)  
(9) 節足動物の寄生菌および肉食性菌類  
(10) 微生物間の相互作用

前提科目・履修上の注意事項: 特になし。

単位取得条件、成績評価基準:
学期末の論述試験またはレポートによる。また、出席状況も考慮に入れる。

指定教科書: 特になし。適宜資料を配布する。

参考書・文献:
1)菌類と人間(三浦宏一郎・徳増征二訳) 共立出版
2)森林微生物生態学(二井一禎・肘井直樹編著) 朝倉書店 
3)微生物科学4 生態(柳田友道著) 学会出版センター
4)シリーズ地球共生系2 さまざまな共生(大串隆之編) 平凡社 
5)ウェブスター菌類概論(椿啓介他訳) 講談社

オフィス・アワー:
火曜日14時から15時まで ;場所 生物農林学系棟C708 ;TEL6708
メールアドレス:yyamaoka@sakura.cc.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


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