つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G220301

免 疫 生 物 学     Immunobiology

科目番号: G22 0301  
単位数: 1単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 集中
担当教員: 千葉  丈


授業概要: 
 医学、生物学の中で重要な分野の一つになっている免疫生物学について、その基礎を概説する。1798年ジェンナーに始まる免疫学の研究は細胞学や分子生物学、あるいは近年の遺伝子工学や細胞工学の発展とともに急速に進み、長い間の謎であった免疫系の高度な仕組みが明らかにされてきている。免疫系の全体像が理解できるように以下の内容を中心にして、免疫系を概説する。(1) 免疫系を構成する多種の細胞とその機能。(2) 非自己の物質(抗原)を認識する分子としてのパターン認識分子。(3)抗体(免疫グロブリン)とT細胞抗原レセプターの構造と機能や、それらの分子の多様性の獲得の分子機構。(4) 抗原提示細胞の存在と、その細胞膜上の抗原認識に関与する分子としての主要組織適合抗原の構造と機能。(5) 免疫応答(反応)に必須な細胞の相互作用と、その機能分子としての多種のサイトカインと、そのレセプター分子の構造と機能。(6) 免疫系の進化(ホヤをめぐって)。

授業内容:
(1) 免疫学の概念と歴史。
(2) 獲得免疫と自然免疫、免疫系の細胞とリンパ系。
(3) 自然免疫とパターンに認識分子
(4) 抗原と抗原性、抗原を認識する分子(免疫グロブリン・T細胞レセプター・NKレセプター)。
(5) 抗原認識。
(6) 抗原認識分子の多様性とその獲得の分子機構。
(7) 抗原の提示と主要組織適合抗原の構造と機能。
(8) 細胞性免疫とT細胞による抗原認識。
(9) 細胞相互作用とサイトカイン。
(10) 免疫系の進化(ホヤをめぐって)。の進化(ホヤをめぐって)。

前提科目・履修上の注意事項: 3年次以降での履修が望ましい。

単位取得条件、成績評価基準: 出席(遅刻は認めない)と講議最終日の試験結果。

指定教科書: 笹月健彦監訳「細胞免疫学第5版」南江堂

参考書・文献:
1)多田富雄監訳「免疫学イラストレイテッド」南江堂     
2)中村桂子、松原謙一監訳「細胞の分子生物学」教育社     
3)
菊地浩吉編著「医科免疫学」南江堂

オフィスアワー:
東京理科大学基礎工学部生物工学科免疫学教室    
TEL 0471-24-1501 内線 4409、chibaj@rs.noda.tus.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


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