つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G220501

細 菌 学     Bacteriology

科目番号: G22 0501
単位数: 1 単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1学期 金曜日 1時限
担当教員: 太田 敏子、清水  健、森川 一也、黒田  誠


第1学期(担当教員: 太田 敏子、清水  健、森川 一也、黒田  誠)

授業概要:
 細菌は1 ミクロンの大きさの個体で自立生育・増殖を行う微生物である。自然界には無限ともいえる種類の細菌が、無制限ともいえる増殖力(生命力)を備えて生息している。その生態は極めて多様性に富み、目には見えないが自然界における生命現象の真の立役者であるといえる。本講義では、細菌の中でも特にヒトと利害関係を持つ細菌について、生物学的・生態学的な特徴を理解し、どのような細菌がヒトに利益があり、どのような細菌がヒトに病気を起こすのか、またどのような分子生物学的機構によりヒトへの病原性が発揮されるのかを学習する。特に、近年めざましい勢いで進行しつつある細菌のゲノム解析を中心に講議を進め、従来の教科書的な記述ではなく、最新のデータ・知見をなるべく紹介し、研究室で行われている研究などをふまえながら、未だ知られざる病原細菌の生態についての問題提起を行っていきたい。

授業内容:
(1) ヒトに関連する細菌:常在細菌と病原細菌 (太田)
(2) 病原細菌の感染成立と病原因子 (太田)
(3) 細菌毒素の構造と機能  (清水)
(4) 病原細菌の感染様式 (清水)
(5) 病原細菌の流行と対策 (清水)
(6) 病原細菌の情報伝達システム
     〜シグマ因子と二成分制御系による環境応答〜 (森川)
(7) 細胞外情報伝達システムによる病原性調節 (森川)
(8) 薬剤耐性菌の蔓延とそのしたたかな耐性獲得機構 (黒田)
(9) ゲノム解読により浮き彫りになった病原細菌ゲノム (黒田)
(10)ゲノム解読からポストゲノム解析への挑戦
     〜宿主における病原性とは〜  (黒田)

前提科目・履修上の注意事項: 履修にあたっては微生物に関する基礎知識を習得していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準: 授業終了後に課題レポート提出による。筆記試験は行わない。

指定教科書: なし

参考書・文献:
1) 「医科細菌学」吉川編 南江堂
2) 「標準微生物学」平松・山西編 医学書院
3)ブラック微生物学 丸善

オフィスアワー:
随時、ただし電話で在室を確認のこと。TEL & FAX: 3454

場所:医学学群棟4A124,125 TEL & FAX (オフィス)3454、(研究室)3928
e-mail:
太田敏子教授 (tohta@sakura.cc.tsukuba.ac.jp)
清水 健講師 (kshimizu@md.tsukuba.ac.jp)
森川一也講師 (morikawa@sakura.cc.tsukuba.ac.jp)
黒田 誠講師 (makokuro@md.tsukuba.ac.jp)

備考(受講学生に望むこと):

©2005 筑波大学生物学類