つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G220903

分 子 細 胞 発 生 学 実 験     Molecular Cytology and Embryology,Laboratory

科目番号: G22 0903  
単位数: 1.5 単位
標準履修年次: 3年
実施学期 曜時限: 第1学期(後半) 月、火曜日 3,4,5時限
担当教員: 坂本 和一、古久保(徳永) 克男


授業概要:
 生命現象を分子レベルで理解するためには、遺伝情報の基となる遺伝子自身の解析やその遺伝子産物の機能解析などの研究が必要不可欠である。従って核酸(DNA・RNA)やタンパク質などの生体内高分子の基本的な扱い方や、その解析ツールとしての酵素類やバクテリアなどの基本的な取扱法に十分習熟しておく必要がある。分子細胞発生学実験では、まずFeeding RNAi法による線虫の遺伝子発現抑制実験を通じて、線虫の培養やプラスミドDNAの取扱い法について基礎的な技術と概念とを取得する。さらに分子生物学的技術を応用し、ショウジョウバエの発生を支配する制御遺伝子の様々な発生遺伝学的、分子遺伝学的解析を行う。

授業内容:  
前半:Feeding RNAi法による線虫のRNA発現抑制実験(坂本)
   第1回 実験のガイダンス、試薬準備
   第2回 大腸菌の培養
   第3回 RNAi用Plasmidによる形質転換菌の作製
   第4回 線虫の培養とRNA干渉実験
   第5回 線虫の表現形の解析とまとめ

後半:ショウジョウバエ発生制御遺伝子の発現解析(古久保 - 徳永)
   第6回 ショウジョウバエ発生について説明および準備
   第7回 成虫原基と中枢神経系のモノクローナル抗体染色
   第8回 発生制御遺伝子のin situ ハイブリダイゼーションによる解析
   第9回 レーザー共焦点顕微鏡による脳神経回路の観察
   第10回 ショウジョウバエ全ゲノムデータベースを使用した遺伝子解析

前提科目・履修上の注意事項: 発生学IIを履修していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準:授業出席状況とレポート(前半、後半)から総合的に判断する。

指定教科書:
細胞の分子生物学,第4版,Alberts et al., ニュートンプレス。

参考書・文献:
1) Molecular Cloning; a laboratory manual. Sambrook, J., Fritsch, E. F.,
and Maniatis, T. Cold Spring Harbor Laboratory Press.
2) ラボマニュアル遺伝子工学、村松正美編、丸善
3) 別冊実験医学 ザ・プロトコールシリーズ「ポストゲノム研究時代の免疫染色・in situハイブリダイゼーション」野地澄晴、羊土社、2001年。

オフィスアワー:
古久保 - 徳永 克男 ;
随時、生農棟B308 (phone/fax 6644)e-mail:tokunaga@biol.tsukuba.ac.jp 
坂本 和一 ;
随時、第二学群棟2D418 (phone/fax 4875) e-mail:sakamoto@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと): 特にない


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