つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G300901

動 物 生 理 学 I     Animal Physiology I

科目番号: G30 0901
単位数: 2 単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1・2学期 月曜日 1時限
担当教員: 大網 一則、山岸  宏


第1学期(担当教員: 大網 一則)

授業概要:
 動物の行動は外界の環境情報の受容、受容した情報の伝導、伝達、統合、さらに、効果器活性の制御等のプロセスを経て発現される。これら一連の過程を概説する。また、細胞の興奮や、膜電位発生のメカニズムを解説することにより、細胞機能の物理化学的理解の基礎を与える。単純な体制の生物の行動制御の具体例についても述べる。

授業内容:
(1) 講義の導入、及び、概略の説明
(2) 細胞膜の形態と機能 
(3) 膜電位発生機構
(4) 活動電位
(5) 感覚受容の仕組み
(6) 神経で生じる膜電気現象
(7) 効果器活性の制御機構
(8) 情報の伝導、伝達
(9) 原生動物における行動制御(I)
(10) 原生動物における行動制御(U)

前提科目・履修上の注意事項: 「動物生理学概論」を履修していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準: 学期末に試験を行う。期末試験と出席状況などを考慮して評価する。

指定教科書: 特にない。プリントを配付する。

参考書・文献:
1)特大号:脳と行動、遺伝49 巻7 号(1995)、裳華房
2)図解生物科学講座4 行動生物学、青木清編、朝倉書店
3)脳・神経と行動(生物科学入門コース6)、佐藤真彦著、岩波書店
4)単細胞生物の行動(内藤豊著)東大出版会 UPバイオロジー
5)筋運動の進化(杉晴夫著)東大出版会 UPバイオロジー

オフィスアワー:
月曜日5時以降:生物農林学系棟B 711
Tel:853-6684, e-mail: oami@sakura.cc.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


第2学期(担当教員: 山岸  宏)

授業概要:
 動物の行動は一般に、環境から特定の刺激を受容することによって生じる。刺激は感覚器で神経情報に変換され、脳・神経系において統合処理されて一定の行動を起こす指令情報となる。そしてこの情報が運動系の効果器である筋などを適切に駆動することによって行動が発現する。講義では動物における神経細胞の構造と機能、情報処理機構としての神経回路網、筋の構造と機能、筋制御機構などについて解説する。また動物の系統進化や環境適応による神経系と行動様式の発達について考える。。

授業内容:
(1) 神経細胞の構造と機能
(2) 神経系の発達と神経回路網 
(3) 神経系における情報処理機構
(4) 筋の構造と機能
(5) 骨格筋の制御
(6) 心筋・平滑筋の制御
(7) 自律神経調節
(8) 動物の行動様式と神経系の発達
(9) 行動のパターン形成と発現(1)
(10) 行動のパターン形成と発現(2)

前提科目・履修上の注意事項: 「動物生理学概論」を受講していることが望ましい。

単位取得条件、成績評価基準:
学期末に行う論述試験の結果、ならびに普段の出席状況、授業に対する取り組み、などを考慮して評価する。

指定教科書: 特にない。授業ごとにプリントを配付する。

参考書・文献:
1)脳・神経と行動(生物科学入門コース6)(佐藤真彦著)岩波書店
2)脳と行動の生物学、藤義博・高畑雅一著、講談社
3)ニューロバイオロジー( 第2版)、GM シェパード著、山元大輔訳、学会出版センター
4)Eckert animal physiology: mechanisms and adaptations (Fourth Edition) David Randall, WarrenBurggren, Kathleen French W. H. Freeman and Company, 1997

オフィスアワー:
各曜日5時以降: 生物農林学系棟B611,
Tel: 853-6670, e-mail:yamagishi@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと): 積極的な質問


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