つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G301101

微 生 物 学 T     MicrobiologyT

科目番号: G30 1101  
単位数: 2単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1・2学期 月曜日 2時限
担当教員: 桑原 朋彦、橋本 哲男


第1学期(担当教員: 桑原 朋彦)

授業概要:
 微生物の構造・エネルギー代謝・物質代謝についての基礎を概説する。環境における微生物の役割に関して,炭素・窒素・イオウの循環について生態学的な立場から解説する。さらに,生命の起源に近いと考えられている極限環境の古細菌について,その構造的・生理学的な性質について解説する。また,極限環境の1つである海底熱水系の微生物に関する最近の研究についてわかりやすく紹介する。最後に,微生物の進化に大きな影響を及ぼしたであろう遺伝子の水平移動に関して考察する。

授業内容:
(1) 生命の誕生と進化
(2) 古細菌と真正細菌
(3) 微生物の系統分類
(4) 海底熱水系
(5) 微生物の増殖
(6) 微生物の構造
(7) 微生物のエネルギー代謝
(8) 微生物の物質代謝
(9) 微生物生態
(10) 地球環境と微生物

前提科目・履修上の注意事項: なし

単位取得条件・成績評価基準:
6回以上の出席が単位認定に必要。学期末に論述式試験を行う。出席状況と授業における質疑応答とを考慮して、A〜Dの4段階評価をする。

指定教科書: なし

参考書・文献:
Brock Biology of Microorganisms. Madigan, Martinko, Parker. Prentice-Hall Inc. (ISBN 0-13-520875-0)

オフィスアワー:
金曜日の9:00-11:00、生物農林学系棟B606(電話6667)
E-mail:kuwabara@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


第2学期(担当教員: 橋本 哲男)

授業概要:
 生物界の系統的多様性の大部分を占めるのは単細胞の微生物であり、多細胞生物はそのごく一部を占めているにすぎない。したがって、地球上の生物多様性を理解するためには、微生物界の理解が必須である。本講義では、生物界全体を通してさまざまな微生物の相互比較を行ないながら微生物界の多様性について概説する。その際、進化の時間軸に沿って歴史的に物事を捉えるという視点を重視する。とくに、モデル微生物においてゲノム配列情報が全て既知という前提で研究が進展している現状を鑑み、分子系統学と比較ゲノム学の最近の成果を重点的にとりあげる。また、遺伝子の水平転移や細胞内共生が微生物の進化に及ぼした役割の大きさについても考察する。

授業内容:
(1)原核生物(真正細菌と古細菌)概論
(2)真核微生物概論
(3)分子進化の基礎概念と配列データ比較解析法:アライメントと分子系統樹
(4)微生物界の系統進化[1] 原核生物の系統進化
(5)微生物界の系統進化[2] 真核生物の起源と初期進化
(6)比較ゲノム学[1] 遺伝情報発現系遺伝子
(7)比較ゲノム学[2] 代謝系遺伝子
(8)比較ゲノム学[3] 細胞構造・機能維持遺伝子
(9)遺伝子水平転移と微生物の進化
(10)細胞内共生と真核微生物の進化

前提科目・履修上の注意事項: なし

単位取得条件・成績評価基準: 1学期に同じ

指定教科書: なし

参考書・文献: 1学期に同じ。その他は授業中に指示する。

オフィスアワー:
木曜日の16:00−19:00、生物農林学系棟B517(電話6660)
E-mail:hashi@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


©2005 筑波大学生物学類