つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2006) 5: TJB200601200200751
オヒシバのキンクロラックに対する耐性メカニズムの解明
白井 慎二郎 (筑波大学 生物学類 4年) 指導教員:松本 宏 (筑波大学 生命環境科学研究科)
≪背景≫![]() キンクロラックは水田や芝地のイネ科雑草の防除に利用されているが、芝地のイネ科雑草の1つであるオヒシバは例外的にキンクロラックに耐性を示す。これまでの研究において、本剤に対して感受性の異なるオヒシバとヘンリーメヒシバ(感受性)を用いて、キンクロラックの吸収、移行、代謝が比較されているが、これらの差ではキンクロラックに対する感受性差は説明できないとされており、オヒシバの耐性機構の詳細は未だ明らかとなっていない。そこで本研究では、本剤の作用点であるエチレン生合成経路を中心としてオヒシバとメヒシバ(感受性)におけるキンクロラックに対する反応応答の差を比較検討し、オヒシバのキンクロラックに対する耐性メカニズムを解明することを目的とした。 ≪材料≫
≪実験方法≫
≪結果及び考察≫
これらのことから、オヒシバのキンクロラック耐性にはエチレン生合成が密接に関与している可能性が示唆された。今後はエチレン生合成経路中のいずれかの段階が、キンクロラック耐性と深く関っているのか詳細に調べていく予定である。
©2006 筑波大学生物学類
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