つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2006) 5: TJB2006G112621

分 子 進 化 学 III     Molecular Evolution III

科目番号: G11 2621
単位数: 1単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第3学期 金曜日 2時限
担当教員: 石田 健一郎、和田 洋


授業概要:
 分子進化学分野の2つのトピックスについて解説する。1)葉緑体の誕生と分子進化(前半5回、担当:石田):細胞内共生による葉緑体の誕生において、共生者である光合成生物がオルガネラ化して葉緑体となる過程を分子進化の面から解説する。2)発生学と分子進化(後半5回、担当:和田):動物の多様なボディープランは、発生過程の進化によってもたらされており、分子レベルで記述することが可能である。このような分子発生進化学の研究の現状を解説する。

授業内容:
前半5回、担当:石田
(1)葉緑体の起源と多様性
(2)細胞内共生者のオルガネラ化 I:遺伝子の水平転移とタンパク質輸送
(3)細胞内共生者のオルガネラ化 II:葉緑体の分裂と走光性
(4)葉緑体ゲノムの進化と多様性
(5)細胞内共生に伴う分子進化
後半5回、担当:和田
(6)遺伝情報の定性的(定量的ではない)な比較による、もう一つの系統推定
(7)形態形成のための遺伝子ツールキット
(8)転写調節シスエレメントの進化
(9)形態進化と分子進化の架け橋
(10)応用編:五感の進化と分子進化、動物地理学

授業内容は目安であり、トピックに応じて多少の変更がある。

前提科目・履修上の注意事項:
細胞学概論、遺伝学概論、分類学概論、分子進化学Iの内容の理解を前提とする。

単位取得条件、成績評価基準:
授業開始時に説明する。

指定教科書: なし

参考書・文献:
1)「藻類30億年の自然史」 井上 勲、 東海大学出版会(2006)
2)「DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議」 キャロル他、羊土社
3)「シリーズ進化学4 発生と進化」 佐藤矩行他 岩波書店

オフィスアワー:
特に定めない。事前連絡が望ましい。
和田 洋:第2学群棟2D415 (電話4671) E-mail: hwada@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと): 


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