つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007G110223

植 物 系 統 分 類 学 実 験 II      Plant Systematics,Laboratory II

科目番号: G11 0223  
単位数: 1.5単位
標準履修年次: 2年
実施学期 曜時限: 第1学期(前半)木・金曜日 3,4,5時限
担当教員: 中山  剛、石田 健一郎


授業概要:
陸上植物(コケ,シダ,種子植物)を対象に,緑色植物にみられる形質の多様性,進化の傾向と群内の分類を理解することを目的とする。細胞,組織,個体レベルで観察し,栽培,培養あるいは野外から採集した試料を用いて,器官,組織,細胞レベルの構造など,形態を中心とした観察と解析を行う。実験を通じて培養技術,組織と細胞レベルの観察技術(光学顕微鏡,走査電子顕微鏡)と,スケッチや写真による撮影など観察結果を記録するための技術を修得する。個々の分類群を順次観察し,それぞれの細胞構造,体制,生殖器官と生活環の特徴およびそれらのもつ適応的特徴について学ぶ。また,上記と並行して実習期間内に植物標本の作成を行い,同定の技術を習得する。

授業内容:
第1回 野外採集と標本作製。被子植物,シダ類の培養。
第2回 野外採集と標本作製。被子植物,シダ類の培養。
第3回 コケ植物(蘚類,苔類,ツノゴケ類)の観察,スケッチによる記録。パラフィンセクション用の試料作成。
第4回 コケ植物(蘚類,苔類,ツノゴケ類)の観察,スケッチによる記録。パラフィンセクション用の試料作成。
第5回 シダ植物(ヒカゲノカズラ類,ミズニラ,トクサ類,シダ類,水生シダ類)の観察,スケッチによる記録。パラフィンセクション用の試料作成,観察。走査電子顕微鏡用の試料作成。
第6回 シダ植物(ヒカゲノカズラ類,ミズニラ,トクサ類,シダ類,水生シダ類)の観察,スケッチによる記録。パラフィンセクション用の試料作成,観察。走査電子顕微鏡用の試料作成。
第7回 種子植物の観察。被子植物の体構造(花・果実),維管東系の比較観察,スケッチによる記録。
第8回 種子植物の観察。被子植物の体構造(花・果実),維管東系の比較観察,スケッチによる記録。
第9回 種子植物の観察。走査顕微鏡による維管東系の比較観察。
第10回 種子植物の観察。走査顕微鏡による維管東系の比較観察。

以上の観察を通じて,顕微鏡技術,パラフィンセクションの技術,走査電子顕微鏡試料作成の技術を習得する。また期間中に各自植物標本およそ100点の作製,同走作業を行う。材料の状態によって順番が入れ替わることもある。

前提科目・履修上の注意事項:
植物系統分類学Iの事前または同時履修が望ましい。

単位取得条件、成績評価基準:
実験態度,スケッチ,標本,レポート,出席を総合して評価する。実験や観察には前提となる知識が必要なので,植物系統分類学Iとの関連を意識しているかどうかということが,好奇心や探求心をもって実験に臨むための鍵になる。

指定教科書:
プリントを配布。また植物系統分類学Iの教科書(冊子)を使用するので持参のこと。

参考書・文献:
1)植物系統分類の基礎 山岸高旺 編 北隆館
2)植物と菌の系統と進化 西田 誠 編 日本放送出版協会
3)植物と菌の系統と分類 岩槻邦男 編 日本放送出版協会
4)植物の多様性と系統 加藤雅啓 編 裳華房
5)図鑑類(学類で用意されている)

オフィスアワー:
中山:生物農林学系棟D518,常時。(内線4533)

備考(受講学生に望むこと):


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