つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007G111801
動 物 生 理 学 II Animal Physiology II 科目番号: G11 1801 第3学期(担当教員: 中谷 敬、大網 一則) 授業概要: 動物は光,音,匂い,味等の質の違う様々な情報をそれぞれの感覚器官で受容し,それらの情報は感覚細胞内で電気信号に変換され,さらに脳へと伝えられる。脳を含む生体内の神経ネットワークでは,送られてきた感覚情報が処理され,その結果,脳で外界の状況を認知することができる。さらに,中枢で統合された感覚情報は遠心性の神経により効果器に伝えられ,筋等の効果器の活性が制御されている。この授業の前半(中谷担当)では,感覚情報の入力の部分,すなわちさまざまな感覚のしくみと脳に至る情報処理について,ヒトの視覚を中心に話を進める。後半(大網担当)では,主に,動物の運動を司る効果器活性の制御を概説する。また,単純な体制の単細胞生物の行動制御の具体例についても述べる。 授業内容: (1)視覚の初期過程 (光レセプター蛋白質ロドプシンと光受容のしくみ) (2)視細胞の光応答と光シグナル伝達のメカニズム (3)視細胞内での光信号モジュレーション(明順応の分子メカニズム) (4)網膜内の細胞ネットワークから中枢に至る視覚情報処理 (5)さまざまな感覚 (6)動物の行動と情報の流れ (7)筋収縮の制御 (8)筋以外の細胞運動の制御 (9)動物の行動制御ー反射 (10)単細胞生物の行動制御 前提科目・履修上の注意事項: 動物生理学I,動物生理学U,または生物物理学I を履修していることが望ましい。 単位取得条件、成績評価基準: 学期末に論述形式の試験を行う。 指定教科書: なし。( ハンドアウトを配布します。) 参考書・文献: 1) Principles of Neural Science, 4th edition. (Eric Kandel et al., 2000, McGraw-Hill) 2) 生物のスーパーセンサー (津田基之 編,1997,共立出版) オフィスアワー: 中谷:月曜日16〜18 時,他随時;生物農林学系棟F603 (Tel. 6672) E-mail: nakatani@biol.tsukuba.ac.jp Website: http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~nakatani/ 大網:16〜18時,他随時;生物農林学系棟B711 (Tel. 6684) E-mail: oami@sakura.cc.tsukuba.ac.jp Website: http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~oami/ 備考(受講学生に望むこと): ©2007 筑波大学生物学類 |