つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007G114103

植 物 分 類 形 態 学 臨 海 実 習     Laboratory and Field Studies in Marine Botany

科目番号: G11 4103
単位数: 1.5単位
標準履修年次: 2年
実施学期 曜時限: 第1学期 集中 [下田]
担当教員: 石田健一郎、井上 勲、青木 優和、中山 剛


授業概要:
 生物学類2年次対象の臨海実習で,筑波大学下田臨海実験センター(静岡県下田市)において実施する。植物(酸素発生型光合成生物)の多様性は海洋の藻類において特に著しい。このため,光合成生物を理解するためには,海に生育する植物の理解が不可欠となる。紅藻,褐藻,緑藻(海産の緑色藻類は現在ではアオサ藻とよばれる)および多くの植物プランクトンの仲間は細胞の体制や光合成色素の組成が著しく異なっている。これら多様な生物群の特徴を,講義と実習(生物顕微鏡,走査顕微鏡観察や色素の分析)を通じて学び,また標本作製,スケッチを通じて,種や属の同定の基礎を身につける。

授業内容:
第1日 集合,ガイダンス,実習準備,海藻,植物プランクトンの多様性(講義)
第2日 海藻の採集法と実習(大浦海岸),乾燥,液浸標本の作成。同定作業。
第3日 海藻の採集(須崎海岸),乾燥,液浸標本の作成。同定作業。
第4日 紅藻,褐藻,緑藻(アオサ藻),陸上植物の光合成色素の分析と細胞構造の比較観察。
第5日 下田湾および鍋田湾沖含いの植物プランクトン採集(実験船つくば使用)。光学顕微鏡,および走査顕微鏡による観察と属の同定(特に渦鞭毛藻と珪藻が対象になる)。
第6日 実習のまとめ。清掃,解散。

天候や潮汐により順番が入れ変わることがある。

前提科目・履修上の注意事項:
原則として生物学類生に限る。植物分類学概論(1年次)を履修していること。

単位取得条件、成績評価基準: 実習の活動状況と課題レポートによる。

指定教科書: なし。

参考書・文献:
1)日本の海藻・基本284 田中 次郎, 中村 庸夫 平凡社 2005.
2)日本の海藻 フィールドベスト図鑑 千原 光雄 学習研究社 2002.
3)藻類学 実験・実習 有賀 祐勝, 田中 次郎, 吉田 忠生, 井上 勲, 横浜 康継 (編集) 講談社 2000.

図鑑を1冊購入することをすすめる。

オフィスアワー:
生物農林学系棟B504,D508 常時(電話による事前連絡が望ましい)。(内線4533)

備考(受講学生に望むこと):
生物学の基本は、注意して、考えながら生き物を「見る」ことです。この実習をきっかけに、考えながら観察する習慣を身につけてほしいと思います。


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