1-4. Melosira varians. 1. 生細胞. 2-4. 被殻 (2,3. 帯面、4. 殻面). 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 タルケイソウ目 タルケイソウ科 タルケイソウ属
メロシラ・ヴァリアンス(ナミツツガタケイソウ、チャヅツケイソウ)
Melosira varians
C.A. Agardh 1827, Regensburg Flora 2, p. 628.
Synonym: Gallionella varians Ehrenberg 1836
直径8-35µm、殻高4-14µmの円筒形の細胞が1列につながって直線状の糸状群体を形成する(図1)。隣接する細胞の被殻は粘液質でつながっている。殻高が大きいためふつう帯面が観察される。殻面は円形で平坦、細かい刺や顆粒があるが光顕での確認は困難(図4)。帯面は平滑だが、唇状突起が見られることがある(図2, 3)。殻面と殻套の境界は不明瞭で連続的。
葉緑体は盤状で多数(図1)。
2分裂によって糸状群体が伸長する。ときに有性生殖によって増大胞子を形成する。
淡水および海水域に生息し、本来は付着性であるが、プランクトンとして出現することもある。止水域にも流水域にも極めてふつうに見られる汎布種。肉眼で確認できるほどの群集を形成することもある。貧栄養域から富栄養域まで出現し、有機汚濁に対しては広適応性でβ-中腐水域の指標種。好アルカリ性。油汚染の指標種でもあるらしい。霞ヶ浦でもふつうにみられる。
参考文献 References
- Kelly, M.G., Bennion, H., Cox, E.J., Goldsmith, B., Jamieson, J., Juggins, S., Mann, D.G. & Telford, R.J. (2005). Common freshwater diatoms of Britain and Ireland: an interactive key. Environment Agency, Bristol.
- 小林 弘・出井 雅彦・真山 茂樹・南雲 保・長田 敬五 (2006) 小林弘珪藻図鑑 第1巻. 内田老鶴圃. pp 531. ISBN 4-7536-4046-9.
- Krammer, K. & Lange-Bertalot, H. (1991) Bacillariophyceae. 3. Teil: Centrales, Fragilariaceae, Eunotiaceae. Süßwasserflora von Mitteleuropa. 2/3. Gustav Fischer Verlog. 576 pp.
- 大塚 泰介 (2004) 珪藻図鑑. 滋賀県琵琶湖博物館.
- 渡辺 仁治 (編著) (2005) 淡水珪藻生態図鑑. 内田老鶴圃. pp 666. ISBN 4-7536-4047-7 C3045.