1-5. Ulnaria acus. 1,2. 生体 (1. 殻面、2. 帯面). 3-5. 被殻 (殻面). 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 羽状目 オビケイソウ科 ハリケイソウ属
ウルナリア・アクス
Ulnaria acus (Kützing) Aboal 2003, Diat. Monogr.. 4: 105.
Basyonym: Synedra acus Kützing 1844, Bacill. p. 66. pl. 15. f. 7..
Synonym: Flagirlaria ulna var. acus Lange-Bertalot 1980

細胞は単体性または殻端から分泌された粘液質によって一端が集まった叢状群体。帯面観では両端医に向かって細くなる。殻は線状被針形、両端に向かって徐々に細くなり、両端は弱い頭状。殻長 100-250 µm、殻幅 4-6 µm。条線はふつう対生、平行に配列し、殻套まで伸びる(外表面観では殻肩で一端とぎれる)。条線密度は12-15/10 µm。殻中央に狭く一定の幅の軸域があり、中心域は横長の長方形、ときに条線の痕跡がある。条線は単列の円形胞紋列からなり、外面が輪形篩板で閉塞される。殻の両端には大きな殻端小孔域がある。殻の両端、軸域上にはそれぞれ1個の唇状突起がやや斜めに位置する。帯片は1半被殻あたりおそらく数枚、閉鎖型。葉緑体は板状、2個。

止水、流水とも淡水域に広く生育する。付着性またはプランクトン性。弱汚濁耐性種とされるが、有機汚濁には広い耐性を示す。中性〜好アルカリ性。

参考文献 References