1, 2. Gonium pectorale. 土浦港 (2007.9.4). Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ボルボックス目 ゴニウム科
ゴニウム属
Gonium Müller 1773, Vermium terrest. fluvia. 1: 60.
Type species: Gonium pectorale Müller 1773.
Synonyms: Paragonium Sokoloff et Ancona 1937 (?)

8、16または32細胞が規則的に配列した平板状の自由遊泳性群体。各細胞は球形〜楕円形、細胞の頂端から2本の等長鞭毛が生じている。各細胞はそれぞれ糖タンパク質性の細胞壁で囲まれ、細胞壁同士が結合して群体を形成している。葉緑体は1個、形状はカップ型。ピレノイドは1個〜多数存在する。葉緑体中には眼点が存在し、細胞前方〜側方に位置する。細胞頂端に2個の収縮胞をもつ。核は1個。

各細胞は細胞壁内で分裂し、単純なプラケア (plakea) を経て反転して娘群体を形成する。有性生殖時には細胞が群体から抜け出て配偶子となり、同型配偶子接合をする。4本鞭毛性の動配偶子を経て厚い細胞壁をもった不動接合子になる。不動接合子は減数分裂によって4個のゴーン細胞 (gone cell) からなる発芽群体 (germ colony) を形成して放出する。この群体は無性生殖と同様な方法で通常の群体を形成する。

10種程度が記載されている。一部は Tetrabaena などに移された(G. sociale)。G. pectoraleG. viridistellatum では同一形態種内に多数のシンジェンが存在することが知られている。

淡水止水域に広く生育する。特に G. pectorale は最も普遍的にみられる。プランクトン性。いくつかの種では炭素源(酢酸、ピルビン酸、DL-乳酸)を必要とすることが知られている。霞ヶ浦では G. pectorale がときに見られる。

参考文献 References