1. Tetraedron incus (?). 2. T. pentaedricum (?). 3, 4. T. caudatum. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ヨコワミドロ目 ネオクロリス科
テトラエドロン属
Tetraedron
Kützing 1845, Phycologia Germanica p. 129.
Type species: Tetraedron regulare Kützing 1845
Synonyms: Polyedrium Nägeli 1849; Staurophanum Turner 1892 (?); Chlorotetraedron MacEntee, Bold et Archibald 1978 [= Pseudotetraedron MacEntee, Bold et Archibald 1977 non Pascher 1912] (?)
単細胞不動性。細胞は多角形でときに扁平、しばしば突起を持つが、古くなった細胞は丸みを帯びることがある。細胞壁は多糖性(セルロース?)の内層とスポロポレニン様物質を含む外層からなる。若い細胞の細胞壁表面にはときに網状紋様があるが、成熟細胞では消失する。
葉緑体は1個、細胞内表面をほとんど覆っており、明瞭なデンプン鞘をもったピレノイドを1個含む。ピレノイド基質に貫入構造はない (EM)。細胞は単核性 (成熟時は多核性?)。
2, 4または8個の自生胞子形成による無性生殖を行う。アキネート形成も報告されている。2本鞭毛性遊走子を形成することが知られている種もあるが、これらは別属の Chlorotetraedron 属に分類されることがある。有性生殖は未知。
100種あまりが記載されているが、詳しい調査がなされていない種が多い。細胞の形態、大きさなどに基づいて分類されている。アミミドロ科の藻類(クンショウモ属など)が環境条件や生活環の一ステージとして Tetraedron に酷似する細胞を形成することがあり、少なくとも一部の種は定数群体性のアミミドロ科藻類が単細胞化したものであると思われる。
淡水域に広く生育する。プランクトン性。霞ヶ浦では数種がみられ、特に Tetraedron caudatum は比較的ふつうにみられる。
参考文献 References
- Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2006) AlgaeBase version 4.2. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. http://www.algaebase.org; searched on 13 December 2006.
- Komarek, J. & Fott, B. (1983) Chlorophyceae (Grünalgen). Ordnung: Chlorococcales. Die Binnengewässer. Band 16. 7. Teil, 1. Hälfte. Schweiz. Verlag. Stuttgart. pp. 1044.
- 山岸高旺 (2007) 淡水藻類 淡水産藻類属総覧. 内田老鶴圃. 1428 pp.