1. Gymnodinium acidotum. 2, 3. Gymnodinium spp. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
アルベオラータ 渦鞭毛植物門 渦鞭毛藻綱 ギムノディニウム目* ギムノディニウム科*
ギムノディニウム属
Gymnodinium Stein 1878: 95.
Type species: Gymnodinium fuscum (Ehrenberg) F. Stein
Synonym:

細胞形態は菱形、球形、紡錘形など多様で、大きさもさまざま (<5-200 µm)。ふつう単細胞自由遊泳性、まれに細胞が縦につながった群体を形成する種や不動性の種もいる。鎧板を欠き、細胞表面は平滑または条線がある。細胞は縦溝と横溝をもち、細胞腹面中央付近から生じる縦鞭毛と横鞭毛が付随している。横溝は細胞中央付近を周回する。縦溝は上錐まで伸び、細胞頂端で反時計廻りに周回する (EM) (これは狭義のGymnodiniumの特徴)。 ふつう茶褐色の葉緑体 (ペリディニンを含む) を多数もつ (図2) が、葉緑体を欠くものや (図3)、クリプト藻起源の一時的な葉緑体(盗葉緑体)をもつものもある (図1)。

2分裂によって増殖する。いくつかの種で同型配偶子(ふつう栄養細胞と同形)接合による有性生殖が知られ、動接合子 (planozygotes) を経て、hypnozygoteを形成する。

200種以上が知られる大きな属だが、目立った特徴のない無殻渦鞭毛藻がまとめられた属であり、明らかに多系統群。近年、タイプ種をもとに再定義され、AkashiwoKarlodiniumKarenia などの属が分離されたが、まだ詳しい調査がなされていない種が多数ある。

世界中の淡水、汽水、海水域に生育する。プランクトン性またはベントス性。光独立栄養性、混合栄養性または従属栄養性。海洋では赤潮を形成することがあり、有毒種も知られる。霞ヶ浦では Gymnodinium acidotum がみられ、2006年10月にはかなり多量に存在した。

参考文献 References