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クラウン生物群





真核生物はさまざまな分類群に分化して現在にみられる多様性を実現してきました。しかし,化石の記録は,現在みられる真核生物の大部分は徐々に分化してきたのではなく,およそ10億年ほど前にいっせいに放散したものであることを示唆しています。真核生物の現在の多様性を実現した,この大放散によって生じた真核生物の仲間をクラウンと呼んでいます。系統の樹が伸びて樹冠を広げるように多くの生物群が出現したという意味を込めてこの名前で呼ばれているものと思われます。
クラウンには現在肉眼でみとめられるほとんどすべての生物が含まれます。動物,植物,菌類はそれぞれクラウンの一員です。