P-41


y, scと相互作用する遺伝子diversの構造と機能

仁田坂英二

(九大・理・生物)


 キイロショウジョウバエのX染色体に位置するdivers(dvr:1-28.1, 8D8-9)の突然変異体は単独では暗色の短い翅をもち、体長も短くなる等の表現型を示すが、X染色体の突然変異であるyellow, scute, forked等との二重突然変異はまた異なった表現型を示す。特にyellowとの二重突然変異は翅がCy等と同様な反った翅を持つようになる。

 P因子をX染色体に転移させることでdvrの挿入突然変異を独立に3系統得た。挿入しているP-lacWは3系統全てにおいて同じ位置に同じ向きに挿入されていた。現在、このP因子の挿入部位の近傍のゲノム領域80 kbをクローニングし、転写産物の解析を行っている。P因子挿入系統のP因子を再度転移させた結果、ほとんどが野生型に復帰したが、一部は弱い表現型を残したものや著しい表現型のもの、致死となるものが得られた。UAS-y[+]、GAL4を用いた実験から体色とdvrの表現型には明らかな相関はなく、またあるy[+]Yを持つ系統との交配によって致死が誘発されることも明らかになった。これらの解析を通してdvr遺伝子の機能にもせまっている。