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細胞性粘菌の有性生殖に関わる遺伝子の単離と機能解析

○ 岸本 朋子・ 清水 一 ・小林 麻子・田仲 可昌 ・漆原 秀子

(筑波大・生物)


 細胞性粘菌 Dictyostelium discoideum の有性生殖は、真核生物の配偶子間相互作用を解明する上でのよいモデル系となることが期待される。

 本研究では まず、 D.discoideum の配偶子から作製された cDNA ライブラリーの各クローンについて、大量に塩基配列決定を行ってデータベースを作成した。次に、新規の遺伝子については、塩基配列データをもとに配列解析プログラムである BLAST, MOTIF, PSORT を用いて解析することにより、細胞融合や細胞の相互認識に関与している可能性の高いクローンを選択した。それらの cDNA をプローブとしてノーザンハイブリダイゼーションを行ったところ、有性生殖時に著しく発現が増加していた遺伝子が幾つか同定された。現在これらの遺伝子の機能をアンチセンス RNA 法などによって解析しているところである。