Workshop

脳の発生と進化


1997年5月27日(火) 18:00-21:00

筑波大学 第1学群D棟 1D207教室



オーガナイザー:阿形清和(姫路工大)、古久保 - 徳永 克男(筑波大)


 ヒトを含めた高等動物の脳の発生がどのような遺伝的機構に支配されているかという問題は、その重用性にもかかわらず、長く発生生物学の問題としては敬遠されてきた。しかしながら、80年代における生物の発生機構についての爆発的な研究の進歩の結果、90年代に入り、もはや脳も分子レベルでの遺伝的解析にとって聖域ではなくなった。行動研究に於いても、我々はすでに動物の学習・記憶行動を支える分子機構の基本的なイメージを得つつある。一方、脳発生を支配する遺伝子群についても、その数は容易にリストできる範囲をすでに超えている。これらの進歩の背景には、ショウジョウバエ古典的遺伝学からノックアウトマウスに至る多様な生物種における実験系の充実がある。本ワークショップでは、プラナリアからマウスにいたる幅広い生物種における脳発生研究を概観かつ相互に批判検討することにより、脳とは何であり、その発生がどのような多様性と共通性を持つものであるかについて、フロアーからの発言を巻き込みつつ議論を進めたい。


  1. マウス Otx 、Emx 遺伝子と脳の形態形成機構

  2. 松尾勲(熊本大)

  3. ゼブラフィッシュの脳形成:外胚葉における応答能の差

  4. 武田洋幸(名古屋大)

  5. ゼブラフィッシュ脳の部域化

  6. 岡本 仁(慶応大)

  7. 機能分子を指標としたホヤ幼生の神経構築及び発生

  8. 岡村康司(工技院生命工学研)

  9. ショウジョウバエ脳発生の遺伝子支配

  10. 古久保 - 徳永 克男(筑波大)

  11. 遺伝子発現からみたプラナリアの脳構造

  12. 梅園良彦(姫路工大)

参加者は早めに夕食をすまされるか、 近くの売店等でお弁当・サンドイッチ等をお求めの上御参加下さい。