用語の説明その他

(ゾウリムシの膜電位記録の方法についてをupする予定です。)

 (脱分極という言い方について)

細胞を囲む膜は主に、脂質の2重層とタンパクからできています。脂質二重層は誘電体(絶縁体)として働くため、薄い誘電体である膜の両側にはコンデンサーのように電荷を貯めることができます。この状態を、誘電分極と言います。コンデンサーにたまる電荷(Q)と電気容量(C)と与えた電圧(V)の間の関係式、Q=CVで表されるように、膜の両側に電位が発生するためには膜容量に応じた電荷がたまらなくてはいけません。要するに、膜に電圧が発生している時には膜は分極しているのです。普通、細胞の内側が外側に比べてマイナスになるように電圧が発生していますから、この電圧が減る方向の電位変化を脱分極性(膜の分極を減らす方向)の電位変化と言います。反対に、マイナスが大きくなる様な電位変化を過分極性の電位変化と呼びます。

 (イオンチャンネルとは) 

膜にあるイオンを通す穴の様なもので、開閉を制御されています。どんな条件で開いたり閉じたりするかにより、また、どんなイオンを通すかにより、分類されたりします。このCaチャンネルは膜にかかった電位に応じて、開閉します。この開閉には、チャンネルを構成しているタンパクのアミノ酸側鎖が持っている電荷が重要な役割を果たします。即ち、膜の電位が変わると電位と電荷の積で表されるチャンネルタンパクの側鎖にかかる力が変化し、これが原因で蛋白質のコンフォメーションが変わります。この場合、イオンを通せるコンフォメーションとなります。

  

   

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