不定胚誘導


i) オーキシンを用いる系


 芽生えの胚軸(茎)を植物ホルモン・オーキシンの一種である2,4-Dを含む培地で培養し、脱分化した細胞の固まり(カルス)を得ることから始まる。ここで得られるカルスは、不定胚形成能力を持つことから、Embryogenic cellと呼ばれ、2,4-Dを含まない培地で培養すると、不定胚が形成される。この時Embryogenic cellの細胞の大きさを選抜しておくと、発達段階のそろった不定胚を得ることができる。また、Embryogenic cellの小さな細胞塊を選択し、2,4-Dを含む培地で長期間培養すると、不定胚形成能を失った細胞(Non-embryogenic cell)が得られ、実験の対象区として用いられる。