GLP(Germin-Like Protein)

 GLP(Germin-like protein)は、コムギの発芽時に特異的に発現するタンパク質として同定されたGerminと相同性を示す一群のタンパク質の総称である。GLPは植物界に広く存在するマルチジーンファミリーを構成しており、発現様式等の異なるいくるかのサブグループに分けられる。それらの機能はほとんど解明されていないが、Germinは、シュウ酸酸化活性を持つことが判明しており、他のGLPも同等の活性を持つと言われている。シュウ酸は、代謝のエンドプロダクトであり、植物ではシュウ酸カルシウムとして液胞などに蓄積することがある。シュウ酸酸化酵素は、シュウ酸を加水分解してCO2とH2O2を生成し、Ca2+を遊離することから、多方面での役割が示唆されるようになった。いくつかの植物では、細胞内カルシウムのレベル調節への関与が示唆されている。また、パーオキシダーゼの反応や細胞外マトリックスでのポリマーの架橋に必要とされるH2O2のソースとしてのシュウ酸の重要性が報告されている。さらに、H2O2は、情報伝達物質としても注目を集めている。これまでのところ、サーカディアン発現するのは葉で発現するタイプのGLPであるが、これらはシュウ酸酸化酵素活性は見いだされておらず、役割も不明である。