つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 2, 78     (C) 2003 筑波大学生物学類

グラム陰性細菌におけるニトリル分解関連遺伝子クラスターの解析

田嶌 麻里 (筑波大学 生物学類 4年)  指導教官:小林 達彦 (筑波大学 応用生物化学系)


 

【目的】

 

 グラム陰性細菌のニトリルヒドラーゼは、既に遺伝子クローニングがなされ、本酵素の構造遺伝子が機能未知の遺伝子とクラスターを形成していることが既に明らかとなっている。本機能未知遺伝子はニトリルヒドラターゼ遺伝子の上流に存在することから、ニトリル代謝に関連する遺伝子であると推定される。本研究は、この機能未知の遺伝子の機能を調べることを目的とする。

 

 

【方法及び結果】

 

 ニトリルヒドラターゼ遺伝子上流に、オペロン様のORFが存在する。この領域を持つプラスミドを鋳型とし、目的ORFに対して設計したプライマーを用いてPCR反応を行い、ORFの増幅を行った。こうして増幅した断片をlacプロモーターあるいはT7プロモーターを有する大腸菌用ベクターにつなぎ、目的遺伝子が導入された発現プラスミドを構築した。

 今後、宿主大腸菌、誘導物質濃度、培養温度などを様々に変えた条件検討を行い、SDS‐PAGEで目的の分子量の位置に顕著に誘導されるバンドが出現するかを指標として、目的タンパク質の大量発現を試みる予定である。