生 物 学 特 講 II(維管束植物の系統進化)

科目番号 G11 3121  生物学・基礎科目(1単位)

標準履修年次 2・3年 

集中  7月     

担当教官 : 大場 秀章

 維管束植物はシダ植物,裸子植物,種子植物からなり,現在の地球上の生態系において主要な生産者として繁栄している。植物が水中から陸上へ進出し,進化し分布を広げてきた過程は,陸上という乾燥した環境下で水分を確保し,また胚を保護する装置を発達させてきた過程でもある。水分を確保し,また同化産物の輸送装置として発達したのが維管束系であり,また胚の保護装置として発達してきたのが花であり,種子である。さらに,花や果実は,特に双子葉類においては効率よく交配を行うために動物を引き寄せる機能をもつに至った。
 本講義では,維管束植物がどのような起源をもち,どのような進化の過程を経て現在の状況を作り出すに至ったか,維管束植物はどのような系統をもつかを,生活史の様式,化石の記録,形態,分布等の研究成果を交えて講義する。主要な項目を以下に示す。

藻類と維管束植物の生活環
裸子植物グネツム類の形態的特徴
花の進化
胚のうの進化
果実の進化
維管束系の進化
生殖様式の進化
維管束植物の系統
地理的分布と種分化