つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3, 11   (C)2004 筑波大学生物学類

動 物 系 統 分 類 学 実 験 II      Animal Systematics,Laboratory II

科目番号: G11 0423  
単位数: 1.5 単位
標準履修年次: 2年
実施学期 曜時限: 第1学期(後半)月、火曜日 3,4,5時限
担当教官: 杉田 博昭、町田 龍一郎、八畑 謙介


授業概要:
 多様な動物界の代表例を、動物分類形態学臨海実習・動物系統分類学実験Tで、直接観察したのに続き、本実験ではいくつかの特色ある動物群の代表例をさらに詳しく観察することによって、動物系統分類学の方法の一端を学ぶ。
 系統分類学実験の第2ステップとして、種同定の実習をフナ類の外部および内部形態形質を用いておこなう。次に4種のカブトガニ類を例に取り、形態学的資料・生化学的資料・遺伝学的資料・分子進化学的資料を与え総合的に系統進化的考察を試みる。実験では、4種のカブトガニの外部形態形質を調べ、分岐分類学的手法で系統分岐パターンを求める。カブトガニ類の幼生の大きさを測定し、統計処理により、種間雑種が形成されたことを確かめ、4種間の雑種の発生能のデータを得る。カブトガニ類のミトコンドリアDNAの塩基配列及びヘモシアニンのアミノ酸配列データをコンピュータ処理し系統樹を作成する。これらの資料を合わせ考え、カブトガニ類の系統進化につて報告を提出する。

授業内容:
第1回 フナの分類T 外部形態の観察
第2回 フナの分類U 内部形態の観察
第3回 カブトガニ類の系統T 外部形態及び形態比較 1
第4回 カブトガニ類の系統U  外部形態及び形態比較 2
第5回 カブトガニ類の系統V 生化学的比較及び考察
第6回 カブトガニ類の系統W 種間雑種幼生の計測
第7回 カブトガニ類の系統X  計測値の統計学的処理
第8回 カブトガニ類の系統Y  分子配列データのコンピュータ処理 1
第9回  カブトガニ類の系統Z  分子配列データのコンピュータ処理 2
第10回 カブトガニ類の系統[ まとめ

前提科目・履修上の注意事項:
動物分類形態学臨海実習・動物系統分類学実験Tを履修していることが望ましい。ケント紙、電卓、解剖用鋏・メス・針等が必要。

単位取得条件、成績評価基準:
ケント・レポートにより評価する。原則として出席が8割に満たない場合はDとする。

指定教科書: なし。

参考書・文献:
1)中村守純著 「原色淡水魚検索図鑑」  北隆館
2)根井正利著 「分子進化遺伝学」    培風館
3)関口晃一編 「カブトガニの生物学」  サイエンスハウス

オフィス・アワー:
杉田 木・金曜日14時から17時まで; 生物農林学系棟B407; Tel. 6651; E-mail  sugita@biol.tsukuba.ac.jp
町田 動物系統分類学Tと同じ

備考(受講学生に望むこと):