つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3, 105-106   (C)2004 筑波大学生物学類

分 子 遺 伝 学 I     Molecular Genetics I

科目番号: G30 1001  
単位数: 2単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第1・2学期 火曜日 1時限
担当教官: 漆原 秀子


第1学期(担当教官: 漆原 秀子)

授業概要:
 生物の構造と機能は保有する遺伝情報によって規定されており、それは親から子へと受け継がれていく。遺伝情報の実体、保存、及び発現とその制御の大まかな仕組みについては、遺伝学概論で扱っている。本講義では、最初に遺伝の分子機構に関する基本知識を整理し、次に、生命の遺伝情報体系について理解することを目的として、ゲノムの構造と機能を解析するためのさまざまな手法と、それによって得られる知見を解説する。

授業内容:
(1) ガイダンス、序章:分子遺伝学の歴史と展望、自己評価テスト
(2) 遺伝の分子機構(基本知識の整理)、「ゲノム」とは
(3) ゲノム解析(1):DNA解析の基本手法とクローニング
(4) ゲノム解析(2):塩基配列決定とアセンブル
(5) ゲノム解析(3):配列のアラインメント
(6) ゲノム解析(4):配列データベースと相同性検索
(7) ゲノム解析(5):遺伝子領域の予測
(8) 逆遺伝学(1):遺伝子操作と遺伝子導入個体の作製
(9) 逆遺伝学(2):さまざまな遺伝子機能阻害の方法
(10) (予備)

前提科目・履修上の注意事項:

遺伝学概論及び生化学概論T・Uまたはそれに相当する程度の基礎知識をもっていること。これは特に注意してほしい。

単位取得条件、成績評価基準:
小テストと学期末に行うレポートまたは論述試験の点数が合格範囲にあること

指定教科書:
なし

参考書・文献:
1)「ゲノム」 T.A. Brown著、村松正實監訳、 メディカル・サイエンス・インターナショナル
2)「バイオインフォマティクス−ゲノム配列から機能解析へ−」 David W. Mount (岡崎康司・坊農秀雅 監訳)メディカ3)ル・サイエンス・インターナショナル

オフィスアワー:
月曜日 14時から17時まで; 生物農林学系棟B311 (TEL: 4664)
e-mail: hideko@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


第2学期(担当教官: 漆原 秀子)

授業概要:
 生物の形質を支配するためには多くの遺伝子レパートリーが必要であるが、それを持っているだけでは生命システムは機能しない。遺伝情報体系には、時と場所、そして状況に応じて遺伝子の発現を制御する要素も含まれている。二学期は、この遺伝情報の制御系を理解するためのさまざまな手法と、それによって得られる知見を解説する。最後に、遺伝情報体系がどのようにして成立したかを知るために、遺伝情報の変化とその仕組みについて述べる。

授業内容:
(1) 遺伝子発現制御(1):発現制御の基本機構
(2) 遺伝子発現制御(2):トランス制御因子とその分類
(3) 遺伝子発現制御(3):シス制御因子の実験的解析 
(4) 遺伝子発現制御(4):cDNAの大規模解析
(5) 遺伝子発現制御(5):DNAチップによるトランスクリプトーム解析
(6) 遺伝子発現制御(6):シス制御因子の情報学的解析
(7) 遺伝情報の可変性(1):遺伝子進化の足跡
(8) 遺伝情報の可変性(2):動く遺伝子
(9) 遺伝情報の可変性(3):遺伝的組換え
(10) (予備)

前提科目・履修上の注意事項:
遺伝学概論及び生化学概論T・Uまたはそれに相当する程度の基礎知識をもっていること。これは特に注意してほしい。

単位取得条件、成績評価基準:
小テストと学期末に行うレポートまたは論述試験の点数が合格範囲にあること

指定教科書:
なし

参考書・文献:
1)「ゲノム」 T.A. Brown著、村松正實監訳、 メディカル・サイエンス・インターナショナル
2)「バイオインフォマティクス−ゲノム配列から機能解析へ−」 David W. Mount (岡崎康司・坊農秀雅 監訳)メディカル・サイエンス・インターナショナル

オフィスアワー:
月曜日 14時から17時まで; 生物農林学系棟B311 (TEL: 4664)
e-mail: hideko@biol.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):