つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3: TJB200404MK.

TOEIC講座に参加して

環野 真理子(生物学類 2年)

 私の中で、語学は独学で学ぶもの、という気持ちが常にありました。正直、先生について習わなくても、自分がうまく時間を使って、毎日こつこつとやっていけば、必ず身につくものだと思っていました。そのために、中学生の時から、自分なりに工夫して、いろいろな方法を試してきました。しかし、大学生になっても、英語が身につく気配はまったくありません。それどころか、大学生になると、受験勉強で毎日やっていた高校生の時と違い、英語の勉強に時間を割きにくくなりました。なんとかしなくては、と思っていた時、ちょうど生物学類の掲示板で、TOEIC講座開講のお知らせを目にしたのです。三学期になると少し時間のゆとりが出てきます。プロの先生に英語の効果的な学習方法を習うのもいいだろうと思って私は迷うことなくこの講座に参加しました。私達の三ヶ月間の学習方法は、とにかく毎日、目標時間分英語に触れること。自分の生活にあわせて一日の目標時間を設定し、その時間分英語に触れ、その時間を毎日記録するというものでした。テキストを毎日やり、テレビやラジオの英会話番組を視聴し、洋楽を聴き、洋画を観る。英語に触れるチャンスはどこにでも転がっています。どれだけ自分が積極的にそのチャンスを生かすか。今までの私のやり方は間違っていなかったと思いました。大きく違う点は、みんなで頑張るということです。記録した勉強時間は一週間を合計して先生に提出します。みんなにも自分がどれだけやったかが公表されるのです。みんなでそれぞれの目標に向かって頑張ることはとても励みになりました。元来の負けん気も手伝って、私は毎日、英語漬けの日々を過ごしました。朝起きたら洋楽を聴きながら仕度をし、テキストの音源をいつでも持ち歩き、休み時間にはいつでも聴いていました。東京へ行くバスの中でも、電車の中でも聴いていました。休日には洋画を借りて観ました。字幕をはずしてすべてを聴き取れるまでにはなりませんでしたが、英語字幕で観ると、細かいフレーズまで聴き取れるようになりました。毎週毎週目標時間に達することは大変でした。学習時間にむらができることはしょっちゅうでした。忙しい時や、あまり気分が乗らない時は、テキストができませんでしたが、洋楽だけは聴くようにしました。そのために、三ヶ月で三回繰り返す予定だったテキストが、二回半しか進みませんでした。しかし、この勉強がつらいと思ったことはありませんでした。自分の状態に合わせて勉強ができたこと、洋楽や洋画で楽しく勉強できたこと、なによりも、英語を身につけたいという気持ちがそうさせたのかもしれません。後半には、テキストの内容のシャドウイング、ディクテーションが楽にできるようになりました。三ヶ月間の勉強の成果をはかるIPEテストの結果は残念ながら劇的に変化したわけではありませんでしたが、私が持っているTOEICの点数では点数が上がるまでに三ヶ月の勉強では足りない、ということが分かっていたので、これからもこの方法を継続して、引き続きチャレンジしていきたいと思います。正直、私は大学での英語の取り組みにはあまり期待していませんでした。英語の習得は私の小さい時からの大きな目標ですが、英語は自分で身につけるもの、ということを覚悟で語学系の学部ではなく、この学類に来ました。このような外部の講師を招いての講座を開設していただけるとは、思ってもみませんでした。この講座は、私のように英語の学習に行き詰っている人にとてもよいチャンスであり、どうしても英語が苦手で、英語の勉強なんてつまらない、と思っている人にも、英語学習の良いきっかけになると思います。語学の学習は継続が大事です。この三ヶ月の取り組みを参考にして、引き続き勉強していきたいと思います。もし、毎年開講していただけたら、自分が勉強を続けるバロメーターとして、利用するのもいいかな、と思っています。

Communicated by Shinobu Satoh, Received , 2004.

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