つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G110121
植 物 系 統 分 類 学 II Plant Taxonomy II
科目番号: G11 0121 単位数: 1単位 標準履修年次: 2・3年 実施学期 曜時限: 第3学期 金曜日 2時限 担当教員: 徳増 征二
授業概要: 最近まで菌類は、細胞壁を持つが光合成能がなく、吸収によって栄養を摂取する生物群という定義のもと、系統の異なる多くの真核生物群が含まれていた。現在では、細胞壁成分としてキチンあるいはキトサンを持つ生物群を狭義の菌類(真菌類カビ、キノコ、コウボの仲間)とし、これに遊走子が異型鞭毛の菌類様生物(ミズカビ、ツユカビなどの卵菌類、サカゲツボカビ類、ラビリンツラ類)を含めて広義の菌類と呼ぶ。広義の菌類は細胞壁を持つことから長年植物として研究されてきたが、真菌類は植物より動物に近い生物群であり、一方卵菌類などは植物に近い生物群である。初めに植物の系統分類学的研究の中で菌類の位置づけがどのように変遷してきたを紹介し説明する。次に菌類、特に真菌類と呼ばれる生物群の形態、生活史、生理、生態の特徴について説明し、真核多細胞レベルの生物でありながら栄養体として単相の多核体を発達させた真菌類の分類・系統を研究するための考え方、方法について解説する。そして現在提案されている真菌類の分類体系や系統樹の意味を考える。
授業内容: (1)分けることの意味とその方法 (2)菌類の範囲とその特徴 (3)菌類の高次分類と卵菌門の位置 (4)水中から陸上へ−卵菌門の分類と系統1 (5)水中から陸上へ−ツボカビ門の分類と系統2 (6)糖依存的な生活に縛られた分化−接合菌類の分類と系統 (7)多様な生活様式−子嚢菌類の分類と系統1 (8)多様な生活様式−子嚢菌類の分類と系統2 (9)二重生物への道−担子菌類の分類と系統 (10)無性生殖の進化的意義−不完全菌類の位置づけと分類
前提科目・履修上の注意事項: 分類学概論,植物系統分類学Iのいずれかを履修してあること。動物系統分類学Iの履修者、動物系統分類学IIの同時履修者も履修を認める。
単位取得条件、成績評価基準: 期末に論述試験あるいはレポートにより評価する。出席状況も加味する。
指定教科書: なし。重要な部分はプリントとして適時配布する。
参考書・文献: 1)Alexopoulus,
C. J., Mims, C. W. and Blackwell, M. (1996) "Introductory Mycology 4th ed." John
Wiley and Sons, New York. 2)Deacon, J. W. (1997) "Modern Mycology 3d ed."
Blackwell. . 3)ウエブスター (1985) "ウエブスター菌類概論、(訳本)"
講談社.
オフィイスアワー: 金曜日11時半から13時:B708 (3学期のみ。事前連絡必要):月−水曜日 随時:
菅平高原実験センター
(Tel.0268-74-2002).e-mail:tokumasu@sugadaira.tsukuba.ac.jp
備考(受講学生に望むこと): 講義の対象となる生物がキノコを除き目で見ることのできない微生物であるので、サイズ、スケールを意識しながら受講してほしい。
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