つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB2005G110511
植 物 生 態 学 I Plant Ecology I
科目番号: G11 0511 単位数: 2
単位 標準履修年次: 2・3年 実施学期 曜時限: 第1・2学期 水曜日 2時限 担当教員: 及川 武久
第1学期(担当教員: 及川 武久)
授業概要: 植物の個体レベルの生理過程と、野外環境とを軸として、個体群レベル、群落レベル、生態系レベルの現象が、どのように理解できるか、すなわちscaling
upの問題を概説する。 まず、植物の環境として、放射、熱、二酸化炭素などの気体、植物にとっての必須の物質であると同時に、相変化をすることによって大きなエネルギー変換を行なう水蒸気、といった大気環境の基本的性質と、この地球上での存在の実態を解説する。 次に、植物の基本的生理過程である光合成、呼吸、成長、蒸散を中心として、これらの生理過程の概要を解説するとともに、それらの生理機能を踏まえて、陸域生態系の植物生産力に対する働きを概説する。
授業内容: (1) 序章 この講義の総合的な紹介を行う (2)生物にとっての物理環境 1)
放射の性質 (3)生物にとっての物理環境 2) 気体と水蒸気の性質 (4)地球環境と生物群系 1)
地球上の植生分布と土壌分布 (5)地球環境と生物群系 2) ケッペンの気候区分 (6)地球環境と生物群系 3)
放射乾燥度と植生の対応 (7)生態系の基礎としての植物生産力 1) 光合成の生理学 (8)生態系の基礎としての植物生産力 2)
拡散過程としてみた個葉の光合成速度 (9)生態系の基礎としての植物生産力 3) 植物群落の生産力 (10)生態系の基礎としての植物生産力 4)
植物の成長解析
前提科目・履修上の注意事項:
単位取得条件、成績評価基準: 学期末試験の成績と出席状況
指定教科書: 特になし
参考書・文献: 1) 植物の物質生産 門司正三・野本宣夫 共訳 東海大学出版会(1982) 2)
物質生産の生態学 黒岩澄雄 東大出版会(1990) 3) 光合成と物質生産 宮地重遠・村田吉男 編 理工学舎(1980) 4)
陸上生態系 吉良竜夫 共立出版(1976) 5) 植物の分布と環境適応 酒井 昭 朝倉書店(1995) 6) 植物生態生理学 佐伯敏郎
監訳 シュプリンガー東京(1999) 7) 環境応答 寺島一郎 編 朝倉書店(2001)
オフィスアワー:
土曜日13−15時(B511室) e-mail(toecolog@sakura.cc..tsukuba.ac.jp)を活用して下さい。
備考(受講学生に望むこと):
第2学期(担当教員: 及川 武久)
授業概要: 植物の個体レベルの生理過程と、野外環境とを軸として、個体群レベル、群落レベル、生態系レベルの現象が、どのように理解できるか、すなわちscaling
upの問題を概説する。 まず、植物の環境として、放射、熱、二酸化炭素などの気体、植物にとっての必須の物質であると同時に、相変化をすることによって大きなエネルギー変換を行なう水蒸気、といった大気環境の基本的性質と、この地球上での存在の実態を解説する。 次に、植物の基本的生理過程である光合成、呼吸、成長、蒸散を中心として、これらの生理過程の概要を解説するとともに、それらの生理機能を踏まえて、陸域生態系の植物生産力に対する働きを概説する。
授業内容: (1)1学期の復習 (2) 陸域生態系における物質循環 1) SPAC(土壌-植物-大気連続体)概念 (3)
陸域生態系における物質循環 2) 水の吸収とエネルギー収支 (4) 陸域生態系における物質循環 3) 無機塩類の循環と土壌 (5)
炭素循環モデルによる生態系のシミュレーション 1) 熱帯多雨林の炭素動態のシミュレーション (6)
炭素循環モデルによる生態系のシミュレーション 2) 熱帯多雨林の炭素動態と環境条件 (7)
炭素循環モデルによる生態系のシミュレーション 3) 炭素動態モデルに基づいた森林と草原の特性比較解析 (8) 地球規模の炭素循環と陸上生態系
1) 地球上の炭素量と炭素フラックス (9) 地球規模の炭素循環と陸上生態系 2) 地球温暖化と陸上生態系 (10)
地球環境問題に対する世界の取り組み
前提科目・履修上の注意事項:
単位取得条件、成績評価基準:
指定教科書:特になし
参考書・文献: 1) 植物の物質生産 門司正三・野本宣夫 共訳 東海大学出版会(1982) 2)
物質生産の生態学 黒岩澄雄 東大出版会(1990) 3) 光合成と物質生産 宮地重遠・村田吉男 編 理工学舎(1980) 4)
陸上生態系 吉良竜夫 共立出版(1976) 5) 植物の分布と環境適応 酒井 昭 朝倉書店(1995) 6) 植物生態生理学 佐伯敏郎
監訳 シュプリンガー東京(1999)
オフィスアワー: 土曜日13−15時(B511室) e-mail(toecolog@sakura.cc..tsukuba.ac.jp)を活用して下さい。
備考(受講学生に望むこと):
©2005 筑波大学生物学類 |