つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB200508MM.

特集:大学説明会

大学説明会の運営に参加して

益子 美由希(筑波大学 生物学類)

 私は,大学説明会の運営に当たって,事前には案内板の作成を,当日には高校生の誘導とAC入試に関する相談の対応を担当させていただきました。ここでは,私の当日の動きを振り返り,当日の実際の様子,気づいた点,感想,の順に報告をさせていただきたいと思います。

 まず,当日の実際の様子は,全体としても大きな問題点のないスムーズなものだったといえると思います。高校生の誘導では,生物学類ののぼりやプラカードを手に,筑波大学中央バス停から会場のH棟までを誘導しました。また,AC入試相談では,AC入試の受験を目指す高校3年生3人の質問に対応しました。質問の内容は,「過去に実際に提出された自己推薦書の事例はどんな内容か」「自己推薦書をうまくまとめるコツは」「他者の指導のもとで取り組んだ活動でも自己推薦書の内容に含められるか」「センター試験で求められる得点はどのくらいか」といったものでした。私の体験談をもとにこれらの質問に回答するとともに,面接試験に向けた準備のポイント等を高校生に伝えました。AC入試関係外の質問としては,「総合研究棟Aってきれいですよね」「実験の授業はどんな部屋でどのように行われるのか」「生物学類と生物資源学類の違いにはどんな点があるか」「こんなことを大学で勉強したいと思っているが,生物学類で学べるか」といった内容のものがありました。

 次に,気づいた点ですが,私は高校生からの質問に対応していて,高校生が大学説明会に要求しているものが受験生か否かで異なっているのでは,と感じました。相談に訪れた高校生には,尋ねたい内容を明確に持っている人とそうでない人とがいました。質問が明確なのは大概の場合が受験生で,受験する入試の形態も決断済みの人が,その受験に対して有利となる実際の情報を求めているようでした。反対に,まだ受験を明確に意識していない高校2年生などは,大学の雰囲気を肌で感じることを大きな目的としているようでした。よって,相談室の機能としては,参加者の疲れや緊張をほぐす場であり,受験生の情報源であるという2つを合わせ持つ必要があるのではないかと思いました。相談に対応する私たちの側も,このことに留意しておくことでさらに的を射た対応が可能になると思います。

 今回私が関わった役割は全体の中の一部分でしかありませんが,2日間,このような役割に徹する機会を与えていただいたことを心から嬉しく思っています。特に,私が実際に経験したAC入試についての情報を後輩に伝えるということは,私にとって大きな喜びでした。この説明会が,高校生へ良い刺激を与えたことを期待したいと思います。

Communicated by Shinobu Satoh, Received August 11, 2005.

©2005 筑波大学生物学類