つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2005) 4: TJB200508YO.

特集:大学説明会

学生による大学説明 ―学生生活について―

小澤 恵代、窪  真依子(筑波大学 生物学類)

 私は「学生生活」をテーマにお話させていただきました。本来は説明会の両日、同じ内容で話すところだったのですが、初日終了時に内容にどうしても納得がいかなくなってしまったため、二日目は内容を変えさせていただきました。わがままを聞いてくださった先生方にはこの場を借りて感謝致します。

 それでは、両日の話の内容を要約してご紹介させていただきます。

 一日目は、毎日の学生生活の基盤となる住居環境について、特に宿舎住まいについてお話させていただきました。

 住居には主に宿舎、アパート、自宅がありますが、新入生の場合、アパートや自宅に住む人はごく少数で、約9割は宿舎住まいになります。宿舎は一の矢、平砂、追越、春日の4箇所にあり、生物学類生は一の矢か平砂に住むことが多いです。築年数に関しては、筑波大の歴史を踏まえてご想像ください。宿舎の部屋は棟や部屋の位置によって多少環境が異なります。長方形の部屋に洗面台と机・椅子とベッドが付いている図をパンフレットで見たかもしれませんが、それはあくまで一例で、洗面台が二部屋で共用の場所があったり、正方形に近い部屋や五角形の部屋があったりします。中には前の住人が物を残している部屋もあり、私の友人の部屋の天井は満点の星空(蛍光シール)になっていました。各部屋には電話機があり、宿舎内なら無料で通話することができます。調理、洗濯、入浴は共同スペースで行います。キッチンは各部屋には設置されておらず、各階に大体1箇所ある、補食室という流しとコンロのあるスペースで調理をすることになります。しかし中には、電磁調理器を買って部屋で作る人もいます。洗濯は各階に数台ずつある洗濯機と乾燥機で行います。お風呂は共用棟という別の建物に入りに行くのですが、有料の銭湯形式になっており、使用できる時間が17時〜22時と限られています。そのため、帰りの時間や体調に合わせてお風呂の時間を変えたりすることができない不便さがあります。このことについては苦情が多いため、もしかしたら来年度あたり改善されるかもしれませんし、されないかもしれません。宿舎の一番のメリットは、やはり安さでしょう。基本となる寄宿料はアパートに住んだ場合の家賃とは格段に差があります。電気代は個人で差が出ますが、月に500円という人もいます。それは特殊な例としても、アパート住まいよりは安くまかなえるでしょう。そのため、寄宿継続のための抽選もなかなかの高倍率になっています。また、友人関係も宿舎住まいの魅力の一つです。新入生にとって、友人ができるかどうかは心配な点だと思いますが、宿舎は友人が皆近所に住んでいるので、食事を持ち寄ったり、試験前に勉強会をしたりしながら仲良くなることができます。

 アパートは大学周辺にたくさんあり、家賃は大学からの距離や広さで変わります。アパート住まいの一番の利点は、バス、トイレなどを自由に利用できることです。しかし、特に一年生の頃は、宿舎住まいより友人との交際が制限されるということもあります。

 二日目は、私の生活の1コマを紹介させていただきました。

 まず、テスト前の情景から話させていただきます。大学のテストは記述式が多いので、ノートやプリントを見直しつつ、理解を深める必要があります。しかし、普段真面目に授業を受けているつもりでも、どうしても聞き取れない部分ってありますよね。そのような時は友人のノートやプリントをコピーさせてもらいます。学食では、テーブルの上にノートやプリントを広げてなにやら議論をしている人たちを見かけます。これもまた助け合いの精神。勉強会です。一人で考えているよりも互いに議論をしながら授業を振り返ったほうがよく頭に入るという場合もあります。勉強に詰まった時も、助け舟が出たり、気分転換におしゃべりしたりして、楽しみながら勉強ができます。もちろん、おやつもかかせません!「頭に栄養」を合言葉にチョコレートをパクつきながらやっています。成績評価の方法として、テストの他にレポート提出というのがあります。実験の結果などを報告したり、授業で学んだことをまとめたりした文書です。自分の知識や意見だけで書いたりもしますが、大抵は図書館やインターネットで資料を集めたりして書きます。ただ、インターネットのキーワード検索で情報を集めるとやっかいなことになったりします。先日、ある授業で、「授業内で取り扱った内容の内、自分の好きなテーマについて深く掘り下げてまとめる」というレポートがあり、インターネットも使って情報を集めたところ、友人のレポートと一部内容が似てしまう、ということがありました。互いに検索結果の上位の情報から取っていったため、同じような内容になってしまったのです。結局、書き直す時間がなかったのでそのまま出してしまいました。あとは先生が不審に思わないことを願うばかりです。

 また、生物学類らしい話をしますと、生物の採集の話が出てきます。筑波大学の周辺にはたくさんの木々やそこに棲む動物達がいて、それらを気軽に採集、観察できます。生物学類生なら生物の採集を必ず経験しているはずです。観察のために昆虫採集をしたり、実験に使うミミズやザリガニを自分で採ったり、授業に関連する植物を先生が摘んできたり、池で微生物を採集したりと様々な場面で自然の恵みを感じています。

 あと、話は変わりますが、料理をするときに、初めての一人暮らしなので、最初は料理の分量がよくわからなくて作り過ぎてしまうことがあります。カレーなら冷凍しておけますが、味噌汁の様に小分けの難しい料理は困りますよね。そんなときはおかずを友人の部屋に持ち寄り、みんなで食べます。そのうちになんとなく分量を把握してくるので、作り過ぎることは次第に少なくなりますが、その後も、たまにおかずを1品ずつ持ち寄ってみんなでわいわい食べたりします。一人だと大体1品、多くても2品くらいしか作らないので、寂しい食卓になってしまうこともあります。でも、みんなで持ち寄れば、自分は1品しか作ってなくても豪華な食事を堪能できるのです!お料理持ち寄りの発展形としてはパーティーがあります。誰かの誕生日やクリスマスはもちろん、テスト終了記念のパーティーもあります。友達と一緒に買出しにいったり、料理や飲み物を持ち寄ったりして楽しくやります。普段聞けなかったことや素朴な疑問も陽気な空気に助けられて聞けたりします。

 これはあくまで一例で、他にも楽しいことやめげること、いろいろな出来事があります。それは実際にみなさんが体験してみてください。来年の今頃、皆さんが充実した学生生活を送っている姿を見せてくださいね。


大学説明施設見学会:先端施設コース2への誘導

Communicated by Shinobu Satoh, Received August 12, 2005.

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