代 謝 生 理 化 学 実 験　　　　　Metabolism and Physiological Chemistry，Laboratory

科目番号：　G11 1103
単位数：　1.5 単位
標準履修年次：　２・３年
実施学期　曜時限：　第２学期（後半）　木、金曜日　３,４,５時限
担当教員：　白岩　善博、鈴木　石根

授業概要：
　関連講義（代謝生理化学I , II）との連携を意識した実験内容により，植物の代謝に関連する生理，生化学実験を行い，研究法の原理を理解させると共に，その手法を習得させる。担当者の専門に基づき，微細藻類を実験材料とするテーマを設定してあるが，生物界におけるCO₂およびO₂ガス交換速度や炭素，窒素および硫黄代謝を理解することは，植物に止まらず動物細胞を含む多くの生物の生理現象を理解するのに不可欠である。　本実験を通して，単細胞光合成生物の無菌培養法，無菌操作の基本技術，ラン藻の遺伝子操作，クラーク型酸素電極の原理と使用法，光合成および呼吸によるガス代謝活性の測定，光合成のキネテイクス等の生理活性解析法，生体分子（有機酸・蛋白質・脂質等）の取り扱い法，酵素の活性測定法についての技術習得を目的とする。

授業内容：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
第１回　実験概要のガイダンスおよび実験安全教育（試薬，器具の取扱法）、ラン藻の形質転換
第２回　微細藻類の環境応答I−硫黄欠乏とリン酸欠乏への応答（その１：硫黄欠乏）
第３回　微細藻類の環境応答I−硫黄欠乏とリン酸欠乏への応答（その２：リン酸欠乏）
第４回　微細藻類の環境応答II−CO₂濃度変動と酵素／タンパク質誘導の解析（その１）
第５回　微細藻類の環境応答II−CO₂濃度変動と酵素／タンパク質誘導の解析（その２）
第６回　微細藻類の環境応答III−窒素濃度変動と窒素輸送体活性の制御
第７回　植物のガス代謝速度の解析−光合成vs.光強度曲線の作成
第８回　植物のガス代謝速度の解析−光呼吸／グリコール酸代謝速度（C₂経路）の解析
第９回　微細藻類の脂質分析−（その１：脂質画分の抽出・濃縮）
第10回　微細藻類の脂質分析−（その２：脂質画分の分離・発色）

前提科目・履修上の注意事項：
「代謝生理化学 I，II」を履修していることが望ましい。レポートは各テーマ毎にまとめ，実験終了後２週間以内に提出すること（期限厳守）。

単位取得条件，成績評価基準：　６割以上の出席と実験レポートの成績。

指定教科書：　特になし（本実験専用の実験マニュアルを配布する）

参考書･文献：
１）「植物生化学」H.-W. Heldt著，金井龍二訳，シュプリンガーフェアラーク　東京，2000年　
２）ストライヤー「生化学」第４版，入江達郎ら訳，東京化学同人，2000年　　　　
３）新版実験を安全に行うために　事故・災害防止編，化学同人編集部編，化学同人，2001年
４）植物細胞工学シリーズII「植物の環境応答」，渡辺昭ら編，秀潤社，東京 （1999）
５）テイツ・ザイガー「植物生理学」３版 L. Taiz, E. Zeiger著，西谷和彦、島崎研一郎　訳，培風館，2004年

オフィス・アワー：
（１）白岩：月曜日（18-19時）。生物農林学系 F棟F501（Tel.853-4668）
E-mail: emilhux@biol.tsukuba.ac.jp
（２）鈴木：月曜日（18-19時）。生物農林学系棟F502（Tel. 853-6680）
E-mail: iwanes6803@biol.tsukuba.ac.jp

備考（受講学生に望むこと）：
実験時間中に積極的に指導者やTAとデイスカッションするよう努めること。