つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2006) 5: TJB200607SSO.

特集:大学説明会

学生による大学説明 ―授業・実験・実習―

染谷  悟(筑波大学 生物学類)

当日話した内容(abstract)

● 授業

〜1年生の時間割について〜
1年生のカリキュラムの特徴は
1) 基本的授業が多いので生物を取っていなかった高校生、生物以外の科学も勉強したい学生にやさしい。
2) 基本的語学力の強化をしっかりとやってくれる。様々グループワークを通して友達も増える。
3) 教職科目もとれるので卒業時までに教員免許も取れる。将来ニートになる可能性はぐっと減る。
といったものが挙げられる。

〜2年生以降の時間割について〜
二年生以降は興味に応じたカリキュラム編成が行われるので人によって様々なので、ここでは共通した特徴について紹介する。
1) 午前中は講義、午後は実験といったリズムで学習する。
2) 講義と語学の内容・レベルが上がっていく。
3) 集中授業が増える。
4) 他の専攻(他学類)の授業が取れるようになる。興味に合わせた自由な学習が可能。

● 実験

@先生の講義→A学生の実験(友達と打ち上げ)→Bレポート提出といった流れで行われる。
実際の様子を取ったビデオ(分子細胞発生学実験)を高校生に見てもらった。

● 実習

@下田臨海実験センターでの実習の様子A菅平高原実験センターでの実習の様子を、写真を多用して説明した。

● 結び

今まで説明してきたように筑波大学生物学類では生き物が好きな高校生の皆さんを最先端の研究に近づける教育システムが整っています。ぜひ高校生の皆さんもこの生物学類に入って生物学を堪能してください!

感想・反省(feel about)

 今回、学類の説明会というとても大事な舞台で、高校生に対して学類の説明をし、二日目には学類説明会の司会をするといった大役を任せて頂き、とても良い経験ができたことを嬉しく思っています。確かにとても重大な役回りなので緊張したり、少し負担に感じたりすることもあったけど、やったことで自分の学類・大学の良い点に目を向けることが出来たし、日頃あまり交流のない先輩後輩と一緒に説明会を作り上げることでたくさんの方と友達になることが出来ました。こういった数多くの実りを与えてくれた先生方、事務の方々にまず心の底から「ありがとう」をおくります。

 そんな大学説明会を今概観し、達成度を採点すると80点くらいかな、と思います。まず評価できる点としては目指していたものにより近づいた点です。今年の説明会は「聞く側の視点」で説明会を作り上げることを目指しており企画段階から私のような学生にも意見を述べる権利が与えられ、様々な点で昨年度から改良された部分がありました。そして1日目の様子を見て、司会を学生に替え質問しやすい雰囲気作りをしたりと臨機応変に対応した結果、他の学類・大学よりも聞く側が参加しやすい説明会になったと思います。同時に見えた課題としては、施設見学コースの編成が挙げられるでしょう。見学に連れて行くタイミングと人数、受け入れる施設側の意見を擦り合わせ来年度改善がなされていくことを期待します。

 次に私の担当した部分について考えると、視覚的なアプローチが評価できる点であり、time keepingが改善の求められる点です。今年は私と奥田さん、そして松本さんがパワーポイントを使って発表を行ったのですが、パワーポイントのメリットは高校生と大学生のバックグラウンドの違いを埋めることが出来る点だと思います。大学生が口で説明するものは脳から発せられるものですから印象に残っているものが強く出たり抽象的なものが含まれます。大学生同士で伝わるものも高校生には伝わらないことが多いものです。それに対して視覚的アプローチならば副次的な情報も伝わるし、具体的な説明を行えます。ただ、原稿を読むわけではないのでその場の雰囲気や説明の仕方によって説明内容が変わってしまい時間が短くなったり長くなったりしてしまう短所も同時に持っています。私も1日目と2日目で発表時間の長さが少し変わってしまいました。もっと事前に練習して時間のムラがなくなると良かったな、と思います。

 最後に、たぶん今年で説明会に関われるのは最後だと思うので後輩たちにメッセージを。特に大学説明会に参加できなかった方たちに、贈ります。生物学類の説明会は、教職員だけが作ってるものではなくて学類に関わる学生・教職員が一致団結して作っているものです。参加した学生はきっとそのことが分かったと思います。でもこれがどれだけすごいことか、みんなは知らないと思います。会社とか学校はなぜ入社試験や入学試験を行うのでしょうか?答は「良い人材が集まるようにする為」です。会社や学校といった人の集まりで1番重要な要素が人材だからです。どんなにすごいことを考えても人がいなければことは動かないけれども、すごい人たちが集まれば何か素晴らしいことが起こるものです。だから人は、集まりへ入ってくる人に対しとても気を使うのです。私たちはそんな入ってくる人たちが最初に接する舞台で前面に出て仕事をさせてもらっているのです。これはどれだけの信頼を教職員の方が私たち学生に置いているかを証明していることだと思います。反省会でも学生の意見が同等の力をもっています。この点もすごいことです。この信頼を皆さんも感じて下さい。私たち学生ひとりひとりは学類の顔として社会と接しているのです。そんなことを感じられたら単位とか関係なく、もっと生物学類に愛着を持てると思います。来年もっと多くの学生の皆さんが学類に愛着を持って説明会を作っていってくれることを祈っています!

追伸:説明会で仲良くして下さった奥田さん、松本さん、機会があったら遊びに連れて行って下さい。白戸くん、古田島くん、来年期待してるよ。宮地さん、阿久津翠さん、相談室は楽しかったね。他の人もみんな構ってくれて本当に、本当にありがとう!

 
大学説明会 相談室

Communicated by Shinobu Satoh, Received August 7, 2006.

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