つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2006) 5: TJB200607YMI.

特集:大学説明会

学生による大学説明 ―推薦入試について―

宮地  結(筑波大学 生物学類)

 私が受験生の方にお伝えしたいと思うこと、それは、「推薦入試は受験生にとって素晴らしいチャンスだ!」ということです。

 確かに、小論文や面接の対策のために、他の科目の勉強ができにくくなるとか、推薦入試に不合格だった際に、次のセンター入試に向けて気持ちを切りかえるのが大変だというデメリットはあると思います。しかし、私は、デメリットよりもはるかに多くのメリットを含んでいるのが筑波大学の推薦入試であると考えています。

 まず、教授と話すという体験ができ、合格後にはセンター入試のための勉強ではなく、自分の為に自分のやりたい勉強ができること。さらに、いわゆる「学力」というものさしだけでなく、私が私をアピールしていく姿勢や、私の生物学に対する熱意もふくめて評価していただけること。そして何より、「なぜ私は筑波大学を志望するのか」とか「なぜ生物学類に入りたいのか」ということを考えることで、受験期のモチベーションを上げることにもつながるし、大学に入ってからも、自分が大学生として生きている意味を忘れないでいられます。

 こんな素敵な推薦試験。具体的にどのように行われているか、お話しさせてください。まず、小論文と面接という、2つの試験の形態があります。小論文については、過去問等をきちんと分析して、試験に臨んでいただきたいと思います。面接については、緊張を恐れないことが重要だと考えます。面接官が5人ほどいらっしゃる部屋に、受験生は一人で入っていくことになり、きっと最初は緊張してしまうでしょう。しかし、口頭試問のような状況ではなく、自分の志望動機などを中心に質問されるので、「面接」という感覚でいるよりも、「人と人がコミュニケーションをする場」ととらえる方がいいのではないかと思います。

 さて、このような推薦試験を受けるための対策はどうすればいいのでしょうか。私を含め、クラスには5人の推薦入試合格者がいます。この5人に共通していた推薦入試対策を、ぜひ覚えて帰ってください。一つは、生物学に関連する本やニュース、新聞記事に関心をもって、ある程度把握しておくこと。二つ目は、自分のいいところをたくさん見つけること。これは、試験の時に、自分に自信をもって臨むことがとても大切だからであり、自分のいいところを見てもらえるように話ができると、面接で辛い思いをしなくてすもからです。三つ目は、失敗しても絶対に諦めないことです。私だって失敗しました。みんな失敗はあったそうです。でも、そこで諦めれば、全て終わってしまいます。どうか、自分が後悔しないように、精一杯入試に挑んでください。


学生による大学説明 推薦入試について

Communicated by Shinobu Satoh, Received July 31, 2006.

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