つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007EB00371

化 学     Chemistry

科目番号: EB00 371
単位数: 3単位
標準履修年次: 1年
実施学期 曜時限: 第2学期 木曜日 5時限、第3学期 水曜日 2時限 木曜日 4時限
担当教員: 藤澤 清史、百武 篤也、土屋 敬広


第2学期(担当教員: 藤澤 清史)

授業概要:
 我々の体内には数多くの遷移金属を含むタンパク質が存在し、生命活動を維持するのに重要な役割を演じている。本講義では、実際に使われている金属タンパク質を例に挙げながら、どのような原理でそれが使われているか、なぜ自然はこの金属を選んだかについて解説する。また、得られた研究結果を基にして生まれた生体を模倣した新規触媒開発や医薬品への応用についても、最近の話題を取り入れながら概説する。

授業内容:
(1)無機溶液化学の基礎
(2)配位子としてのアミノ酸
(3)典型金属
(4)遷移金属
(5)配位子場理論
(6)分光法の概説1
(7)分光法の概説2
(8)金属タンパク質
(9)医薬品への応用
(10)放射性同位体の利用

前提科目・履修上の注意事項: 特になし

単位取得条件、成績評価基準:
出席、レポート、学期末試験の成績を総合的に評価する。

指定教科書:
下記の参考書を中心に講義を進めるが、プリントなどを配るので、特に定めない。
   
参考書・文献:
「生物無機化学」 Lippard, Berg著 (東京化学同人)
「無機生化学」 Cowan著 (化学同人)

オフィスアワー:
水・木曜日15:00〜17:00;自然系学系棟B311-2 (Tel: 029-853-6922)、
e-mail: kiyoshif@chem.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


第3学期 水曜日2時限(担当教員: 百武 篤也)
   
授業概要:
 生体内の過程も含めて、自然界における化学的現象は、体系化された化学の基礎理論である物理化学を学ぶことにより理解できることが多い。本講義では物理化学のうち原子構造・分子構造などの構造論(化学結合論)を除く、平衡論および反応論の基礎的理解を目指して、気体の性質、状態変化、溶液中のイオン、熱化学、化学平衡、多成分系の熱力学、電気化学、反応速度論に関する基本的概念を解説する。

授業内容:
(1)気体の性質
(2)物の状態変化
(3)溶液中のイオン
(4)状態変化に伴うエネルギー
(5)化学反応の平衡
(6)自然に起こる変化の方向
(7)イオンを含む平衡
(8)化学エネルギーと電気エネルギー
(9)化学変化の速さ
(10)補遺

前提科目・履修上の注意事項: 特になし

単位取得条件、成績評価基準: 期末試験および出席票

指定教科書:
アトキンス 物理化学の基礎、千原・稲葉訳、東京化学同人(1984)
   
参考書・文献: 特になし

オフィスアワー:
木曜日17:00〜19:00; 自然系学系棟 C303 (Tel: 029-853-4521)
e-mail: momotake@chem.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


第3学期 木曜日4時限(担当教員: 土屋 敬広)
   
授業概要:
 化学が扱う現象は、原子、分子中の電子によって支配されており、原子、分子の電子構造や振る舞いを知ることは、化学や生物を学ぶものにとって不可欠である。本講義では、化学、生物分野の基礎としての「化学結合論」について具体的かつ詳細に解説する。

授業内容:
(1)化学と電子
(2)原子の電子構造、原子軌道の種類、形、性質
(3)分子のルイス式
(4)2原子分子の化学結合
(5)分子の構造、原子価電子対反発
(6)混成軌道、混成軌道の形と方向性、混成軌道と分子の形
(7)多原子分子の化学結合とMO法
(8)共鳴の概念、共鳴エネルギー
(9)共有結合のイオン性、電気陰性度、双極子モーメント
(10)水素結合、静電相互作用、van der Waals力、疎水性相互作用

前提科目・履修上の注意事項: 特になし

単位取得条件、成績評価基準: 出席および学期末記述試験

指定教科書:
「フレッシュマンのための化学結合論」M. J. Winter著 西本吉助訳(化学同人)を中心に講義するが特に定めない。

参考書・文献:
「初等化学結合論」G. I. Brown著、鳥居泰男訳(培風館)
化学入門コース「化学の基礎」竹内敬人著(岩波書店)

オフィスアワー:
火・水・金曜日 16:00〜17:00 TARAセンターB棟3階 (Tel: 029-853-7348)
e-mail: tsuchiya@tara.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):


©2007 筑波大学生物学類