つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007G220901

骨格筋の分子運動生理学     Molecular exercise physiology of skeletal muscle

科目番号: G22 0901
単位数: 1単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第2学期 集中
担当教員: 武政 徹


授業概要:
 運動・トレーニングは人体を使った大いなる実験である。この講義では、骨格筋の可塑性(運動による筋の肥大、有酸素能力の向上、あるいは運動しない事による筋の萎縮)に関わる運動生理学の基礎を学習した後、そのプロセスを解析してきた論文を参考にして、分子レベルでの「筋の可塑性」の理解を深める。人間の適応力のすばらしさを感じてもらいたい。

授業内容:
(1)講師紹介:生物学者がなぜ体育の先生になったのか?
(2)骨格筋の構造と機能
(3)筋力と筋パワー
(4)レジスタンストレーニングの原理原則
(5)運動と筋ATP代謝
(6)筋の肥大・筋の萎縮、それに関わる分子
(7)筋の遅筋化とそれに関わる分子
(8)最新トレーニング事情
(9)成長ホルモンビジネス、アンチエイジングビジネス
(10)総合討論

前提科目・履修上の注意事項:
受講生は分子生物学の基礎的知識(セントラルドグマ、トランスジェニックマウスなどの概念)があるものとして講義は進行する。

単位取得条件、成績評価基準: レポートに出席状況を加味して評価する。

指定教科書: 資料を配布する。

参考書・文献:
1)筋の科学事典(福永哲夫編)朝倉書店
2)Q&A 運動と遺伝(大野秀樹、他)大修館書店
3)身体運動・栄養・健康の生命科学 Q&A骨格筋と運動(跡見順子、他)杏林書院

オフィース・アワー:
火曜日の午後、体育科学系棟A301(内線2622)
あらかじめtakemasa@taiiku.tsukuba.ac.jpにメールし、アポを取るのが確実である

備考(受講学生に望むこと):
筑波大学は体育専門学群(=体育学部)を有する唯一の国立大学法人・総合大学である。学内には様々な体育施設があり、体育系の部活動も盛んである。血気盛んな学生時代、実験室に閉じこもらず、積極的に体を動かして、自分の体を使って実験をしてみよう。


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